筋トレ後のプロテインは意味ない?ゴールデンタイムはウソ!?真実に迫る!

 

筋トレをした後、あなたはすぐにプロテインを飲みますか?

多くの人は「筋トレ後すぐにプロテインを飲んだ方が良い!」と考えていますが、実は今その常識が少しずつ変わってきています。

もしかしたら、筋トレ後のプロテインは意味がないかもしれません。

と言うことで今回はゴールデンタイムの真実についてご紹介していきます!

 

ゴールデンタイムの考え方が生まれた背景

実は「ゴールデンタイム」という言葉は、1990年代から2000年代に行われた研究から生まれました。

そのころに行われた研究では「筋トレ直後に食べ物や飲み物を摂ることで、筋肉がより早く成長する」という結果がいくつも出ており、これをもとに「筋トレ後にプロテインシェイクを飲むことこそが筋肉を作るのに大切だ!」とサプリメント業界が広めたと言われています。

その当時の研究には、以下のようなものがあります。

・Biolo et al. (1997)

8人の健康な男性が対象となり、筋トレ後にアミノ酸と糖分を同時に摂ることで、筋肉のタンパク質合成が66%増加したことが確認されました。
このことから、筋トレ後の「アナボリックウィンドウ(同化窓)」という時間帯に栄養を摂ることがとても重要だと考えられるようになりました。

・Rasmussen et al. (2000)

10人の若い男性が対象となり、運動後にアミノ酸と糖分を摂ることで、インスリン感受性が20%向上し、筋肉のタンパク質合成が36%増加することが示されました。

・Tipton et al. (2001)

6人の若い男性が対象となり、運動の前と後でアミノ酸を摂ったときに、筋肉のタンパク質がどう作られるかを比較しました。特に、運動後すぐにアミノ酸を摂ると、筋肉のタンパク質合成が運動前の摂取に比べて約3倍促進されたことがわかりました。

 

これらの研究によって「筋トレの直後に栄養を摂ることが筋肉を成長させるために大事だ」という考え方が主流になりました。

POINT

この研究結果をよく見てみると、研究対象の人数がかなり少ないことがわかります。
信頼できる研究かと聞かれるとなんとも言えないかもしれません。



ゴールデンタイムは意味ないという研究

しかし最近の研究では「プロテインを飲むタイミングにこだわりすぎなくても大丈夫かもしれない」という新しい考えが出てきています。

実際の研究結果を見てみましょう!

 

実際の研究①:Schoenfeld et al

2013年に行われた研究(Schoenfeld et al)では、過去に行われた20の研究を詳しく調べ「筋トレの後、すぐにプロテインを飲むと筋肉がどれだけ成長するか」を確認しました。

調査対象は平均年齢25歳の男性60人で、全員が筋トレ経験者でした。
これらの研究では、運動直後にプロテインを飲んだグループと、時間を空けて飲んだグループで筋肉の成長を比べました。

その結果、プロテインを飲むタイミングよりも1日にどれくらいの量のタンパク質を摂るかが筋肉の成長にもっと大きく影響することがわかりました。
例えば1日に体重1kgあたり1.6g以上のタンパク質を摂っている人たちが、最も筋肉の成長が見られたのです。



実際の研究②:Aragon and Schoenfeld (2013)

同じく2013に行われた別の研究(Aragon and Schoenfeld)では30以上の過去の研究結果を合わせて分析し「運動後30分以内(ゴールデンタイム)にプロテインを飲むこと」が本当に効果的なのかを調べました。

研究に参加したのは23歳から35歳の運動習慣、食事習慣がそれぞれ違う男女100人以上。

研究の結果、ゴールデンタイムにプロテインを飲むことよりも1日を通してバランスよくタンパク質を摂ることの方が筋肉を成長させるために一番効果的だということがわかりました。
具体的には、1日に体重1kgあたり1.6gから2.2gのタンパク質を摂ることが、筋肉の成長に最も効果的であるということ。

この研究によって「筋トレ後すぐにプロテインを飲まないといけない」という考え方が見直され、プロテインを飲む時間にこだわりすぎず、1日の中でしっかりタンパク質を摂ることが大切だという新しい考え方が広がってきています。



現在のゴールデンタイムについての考え方は?

今紹介したように最近の研究では、「ゴールデンタイム」にそれほどこだわらなくてもいいことがわかってきました。

アメリカでもこの考え方が変わりつつあります。

今では筋肉を大きくするためには「運動後すぐにプロテインを摂ることよりも1日の中でどれだけタンパク質をしっかり摂るかの方が重要」だとされています。

ただし、まだ「ゴールデンタイム」を信じている人も多いです。

それは古い情報がインターネットや本で今だに広まっていることや、プロテインを売っている会社がこの考えを今でも宣伝しているからです。

また、運動後にすぐプロテインを飲むことで安心感を得ている人も多いのでこの考えが完全には消えていないと言われています。



なぜゴールデンタイムは今までこんなにも信じられてきたのか?

ではなぜここまで「ゴールデンタイム」という言葉が広まったのか。

それはプロテインを売っている会社がこのタイミングで飲むことを強く勧めたからです。
わかりやすく言えば、プロテインを売るためのマーケティング戦略ということになります。

また、当時の研究ではこの時間内にプロテインを摂ると筋肉が大きくなるという結果が出ていたため、多くの人がこの考えを信じていました。

しかし、これらの研究は、少ない人数で短期間で行われたものでした。
そのため今のように大勢の人を長い期間観察した研究とは少し違っていて、必ずしも正しいとは言えない部分もあったのです。

POINT

現在では当時の研究自体、マーケティング戦略の一つだったのではないかと言われています。



筋分解が怖い人はどうするべき?

筋トレをしていると「筋分解」が心配になることがありますと思います。

ですが、1日の食事の中で十分なタンパク質を摂れれば筋肉の分解を心配する必要はありません。

とは言えどうしては気になってしまう人は、筋トレ後のプロテインを続けても良いでしょう。
ただしその際には消化不良等には注意するようにしてください。

また、プロテインと同時に糖質を摂るとインスリンが分泌されて筋肉にタンパク質が届きやすくなるのでおすすめです。



まとめ

今回の記事では、筋トレの後に「ゴールデンタイム」と呼ばれる時間にプロテインを飲むことについてご紹介してきました。

以前は、運動が終わった30分以内にプロテインを飲むのが一番良いと信じられていたのですが、最近では1日でしっかりタンパク質を摂ることの方が大事だと信じられるようになってきています。

アメリカなどでも「ゴールデンタイム」にこだわらずに、1日の中でバランスよくタンパク質を摂ることが大切だと考えている人が多いので、実際に試してみて自分の体に合う方をやってみてください。

今回の記事があなたの体をもっと成長させるためのヒントになれば嬉しいです。

それでは良いフィットネスライフを。



【引用】

  • Biolo, G., Tipton, K. D., Klein, S., & Wolfe, R. R. (1997).
  • Rasmussen, B. B., Tipton, K. D., Miller, S. L., Wolf, S. E., & Wolfe, R. R. (2000).
  • Tipton, K. D., Ferrando, A. A., Phillips, S. M., Doyle, D. Jr., & Wolfe, R. R. (2001).
  • Schoenfeld, B. J., Aragon, A. A., Wilborn, C. D., Urbina, S. L., Hayward, S. E., & Krieger, J. W. (2013).
  • Aragon, A. A., & Schoenfeld, B. J. (2013).

 

文・編集:月刊 MEN’s PHYSIQUE 編集部 (@gekkan_mensphysique)

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