メンズフィジークって何?ボディビルとの違いを徹底解説!

 

メンズフィジークって何!?

「メンズフィジーク」というのはボディコンテストのカテゴリのひとつだ。

あなたも「ボディビル」という競技は聞いたことがあるだろう。
「メンズフィジーク」はその「ボディビル」と同じボディコンテストというジャンルに属している。

わかりやすく説明をするなら、陸上競技にも「100m走」や「400m走」などさまざまな種類があるのと同じように、ボディコンテストにも様々な種類があるということ。

「メンズフィジーク」というのは、その中の1つの種類(カテゴリー)に過ぎない。

この「メンズフィジーク」という競技は最近開設された新カテゴリーにもかかわらず、大人気のユーチューバー達がこぞって参加しているとあって、今日本でもっとも人気のあるカテゴリーとなっているぞ。

 

メンズフィジークとボディビルは何が違う?

メンズフィジークとボディビルはどこが違うのか、違いがよくわからないと言われるが、実は結構違う。

ということで今回は、メンズフィジークをボディビルと比べながら説明していこう。

 

メンズフィジークとボディビルはコンセプトが違う

メンズフィジークとボディビルはそもそものコンセプトが違う。

ボディビルのコンセプトは「鍛え上げだ筋肉で魅了すること」だが、メンズフィジークは「海が似合う体」。

わかりやすく言えば、ボディビルが全身の筋肉を極限まで大きくするのに対し、メンズフィジークは「健康的」「スポーティ」「爽やかさ」などが求められるわけだ。

ボディビルに比べるとやや一般的で細身だと言えるだろう。

そのためゴリマッチョに対してあまり免疫のない日本人には、筋肉感の強い”ボディビル”よりも、よりスポーティである”メンズフィジーク”という競技の方が受け入れられたのかもしれない。

 

POINT

近年ではフィジークのレベルが上がってきているため、フィジーカー(フィジーク競技者)の体もボディビルダーのように大きくなってきているぞ。



 

審査の基準の違いはある?

ボディビルの審査対象は「全身の筋肉」だが、メンズフィジークの審査対象は基本的に「上半身」のみ。
ここは2つの競技のもっとも大きな違いと言っても良いかもしれない。

服装も、ボディビルは「ボディビルパンツ」というブーメランパンツのようなボディビル専用のパンツを履くのに対し、メンズフィジークは一般的に男性が海やプールなどでよく履く「サーフパンツ」を履いて競技を行なう。
まさに、海の似合う男を決める競技だ。

服装がサーフパンツだと、ボディビルと違い太ももや尻などが隠れてしまうので、メンズフィジークの審査対象は自然と上半身に絞られてくる。
写真で並べてみると一目瞭然だ。

 

メンズフィジークは逆三角形かどうかを競う

ボディビルは全身の筋肉がどれくらい発達しているか、バランスよくついているか(発達していない筋肉が1つでもあると減点対象になる)などが審査の基準になる。
しかし、メンズフィジークは違う。

メンズフィジークは上半身がいかにバランスの良い逆三角形になっているかどうかが審査の基準になる。
だから「肩幅の広さ」「ウエストの細さ」がかなり重要なのだ。

肩幅が狭ければ評価は低くなり、肩幅が広ければ評価は高くなる。
だが肩幅が広くてもウエストが太いと逆三角形にはならないため、「肩幅の広さ」「ウエストの細さ」の両方が必要。

 

メンズフィジークの審査項目

これは正式に言われているわけではないが、一般的にメンズフィジークで審査されている項目には以下のものがある。

  1. 筋肉量の多さ
  2. ウエストと胸囲のギャップ
  3. 筋肉のバランス
  4. 爽やかさ

一つひとつわかりやすく解説しよう。



 

1, 筋肉量の多さ

メンズフィジークではボディビル同様に筋肉量が必要になる。

ボディビルほど必要では無いと言われてはいるが、筋肉量が多ければ多いほど勝率が上がるため筋肉を増やすためのトレーニングをしているフィジーカーは多い。

先ほども書いた通り、最近ではボディビルダーのように筋肉の大きいフィジーカーが多くなってきているため、かなりの筋肉量が無いと勝てないと言われているぞ。

 

2, ウエストと胸囲のギャップ

「いかに逆三角形を作れるか」
これがメンズフィジークの大きな評価となるため、ウエストと胸囲のギャップを作ることはとても大切になる。

いくら筋肉が強くてもウエストが太くなると評価は落ちてしまう。
そのため横腹には筋肉をつけないようにするなどの工夫が必要になってくる。

 

3, 筋肉のバランス

この競技はただ逆三角形のシルエットを作れていれば良いというわけではない。

逆三角形の体を作れていたとしても、明らかに小さな筋肉などがあれば減点となる。

バランス良く筋肉を大きくして、綺麗な逆三角形を作ること。
これが一番大切だ。

ただこの”バランスの良さ”というのは、一般の方には見分けがつかないだろう。
だからこそ、この道のプロである審査員が審査をして勝敗を決めるようになっている。

 

POINT

筋肉のバランスについてはたくさん見れば見るほど目が肥えてより正確な判断ができるようになるだろう。いろんな大会をその目で見てみる目を鍛えよう。



 

メンズフィジークで評価される筋肉

メンズフィジークで重要とされる筋肉には、

  • 背中
  • 腹筋

の5つがあるぞ。

肩幅を大きくさせる「肩」の筋肉、
分厚さ・ウエストとのギャップを作り出す「胸」の筋肉、
背中の大きさを出す「背中」の筋肉、
力強さを生み出す「腕」の筋肉、
正面からの見た目を映えさせる腹筋。

それぞれの筋肉をバランス良く鍛えることで、前・横・後ろのどこから見た時でも、弱点のない完璧な体を作り出せる。

 

ウエストを細く見せるポーズをとる

先ほど説明したように、筋肉を大きく見せるためにも、ウエストを細く見せるためにも、ポージングもとても重要だ。
(ポージングというのは大会規定のポーズのこと。出場選手が好き勝手にポーズを取っていたら評価ができないため、公平に審査できるように規定のポーズが存在するんだ。)

同じくらいの体をしている人がいたときの勝者は、ボディビルディングと同様にポージングの見せ方で決まる。
むしろ筋肉が多少足りなくてもポージングによる見せ方がうまければ、筋肉が多い人にだって勝てる。

 

ポージングは2〜3種類

ちなみにメンズフィジークのポージングは2〜3つしかない。(これは大会によって変わるぞ)
(ボディビルのポージングは7〜8個あるので、それと比べるとメンズフィジークは少ない。)

しかし、ポージング次第で肉体はかっこよく見せられるため、ポージングをマスターすることは勝つ上でとても重要なのだ。

 

ポージングは型が決まっている

またポージングは規定の”型”が決まっていて、規定の型からかけ離れたポージングを行なうと減点対象となる。

そのため、規定の型の中で「筋肉のコントロール」や「手・脚の位置」、「姿勢」などを微調整し、一番体をかっこよく見せられるポージングを取っていくのがとても重要になるぞ。



 

ポージングの種類

そんなメンズフィジークのポージングには以下の3つがある。

 

1, フロントポーズ

その名の通り、正面からの体を見せるポーズだ。

ここで腹筋や胸や肩周りの筋肉、どのくらい逆三角形になっているかなどが見られる。

メンズフィジークにおいて一番大切なのはこのフロントポーズだと言われており、フロントポーズでもっとも体をよく見せられた者が優勝する傾向にあるんだ。

 

2, サイドポーズ

サイドポーズは横からの体を見せるポーズ。

少し体をねじり、ウエストの締まり(Vシェイプ)、胸・肩・広背筋の筋肉などが見られる。

このサイドポーズは大会によっては無い場合がある。

 

3, バックポーズ

後ろ向きのポーズ。

バックポーズでは背中の広がり、ウエストの締まりなど後ろ姿がいかに逆三角形かが見られるんだ。

バックポーズはどの団体が運営する大会でも基本的には存在する。
フロントポーズがいくら完成度が高くてもバックポーズが残念だと優勝できないため、とても重要なポージングとなるんだ。

POINT

メンズフィジークはこのたった3つのポーズで勝敗が決まるから、多くのフィジーカーはポージングの練習を毎日欠かさない。
ポージングを甘くみると痛い目を見るぞ。

 

クラス(階級)分けの方法の違い

ボディビルは、クラス(階級)が「体重」で分けられる。
「64kg以下」、「72kg以下」というような形だ。

それに対してメンズフィジークは「身長」でクラス分けされ、「168cm以下」「172cm以下」というような形になる。

体重でクラスが変わるボディビルは、定められた体重内でいかに筋肉を増やしていくのかというのを考える必要があるが、身長でクラスが変わるメンズフィジークではそれを考える必要が無い。

そのため、どこまででも筋肉は増やしていけるというメリットがある。

上で紹介したようにメンズフィジークでは筋肉量が必要で、筋肉を付けたら付けただけ勝てる可能性が上がるという意味ではボディビルよりもシンプルかもしれない。

POINT

とはいえ、メンズフィジークでもきつい減量が必要だ。そうじゃないと脂肪が邪魔をして筋肉がはっきり見えてこない。



 

笑顔も大切

メンズフィジークでは「海が似合う男かどうか」が審査の基準のため、爽やかさがとても大切になってくる。
いかに笑顔で爽やかな印象を与えられるかで評価が左右されるため、フィジーカーはステージ上で常に笑顔でいる必要があるぞ。

しかし、これがなかなか難しい。
というのもポージングをしている時は体をよく見せるために様々な筋肉に力を入れているため、笑顔を作るのがとても困難な状況なのだ。

わかりやすく説明するなら、腕立て伏せ100回、腹筋100回をずっと笑顔でするようなもの。
並大抵の一般人なら不可能。

そのため、フィジーカーは笑顔の練習も必要になる。
人によっては毎日鏡で笑顔の練習をする人もいるくらいだ。

 

今後のメンズフィジークに注目

様々な著名人が参加し始めていること、テレビや雑誌などの様々なメディアで取り上げられていることでメンズフィジークの競技人口がどんどん増えてきており、日本での大会数も増えてきているんだ。

そしてこの競技はさらに人気になっていくことだろう。

今後が楽しみだ。

 

POINT

実はボディコンテストには「ボディビル」「メンズフィジーク」のほかに、「クラシックフィジーク」「スポーツモデル」などがある。覚えておこう!

 

▼それぞれのカテゴリについてはこちらをチェック!

ボディコンテストのカテゴリの種類と違いを徹底解説

 

 

文・編集:月刊 MEN’s PHYSIQUE 編集部 (@gekkan_mensphysique)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です