令和の大型新人”笠井大輔”が語る、大会で勝つために必要なものとは

「目標を持っていると必然的に体が動くと思うんですよ。だから、目標を持って継続することが何よりも大事だと感じています。」(笠井大輔選手)

 

──今回はフィジーク大会初出場にして、Evolgear South Japan Championships +175 オープン1位という成績を残した期待の大型新人、笠井大輔選手の全容を追う。

 


 

──大会初出場でEvolgear South Japan Championships +175 オープン1位という成績についてはどう思っていますか?

正直、最初は信じられなかったです。

大会も初挑戦で、もともとオープン5位入賞を狙っていたので優勝できた時は本当に嬉しかったですね。

これからフィジークを続けていくにあたって、とてもいいスタートを切れたと思います。

 

──実際にステージに立ってみて、どのようなことを感じましたか?

今回が初めてだったので他の大会のステージには立ったことがないのですが、感じた事は、まだまだ自分の体の大きさや絞りが他の方に劣っているというところですね。

胸の厚みや肩のフロントの張り出しも後でビデオなどで見返すと一目瞭然でわかりました。

それとバックステージでは落ち着きがなくパンプの事やステージ上での事など余計な事を沢山考えてしまっていましたね。
そんな自分に対して、トップレベルの選手を見てみると試合前はどこか落ち着いているようでした。
それも強い秘訣なんだと感じました。

 

──大会に出るときは緊張しますか?

ステージ上では緊張はあまりしませんでした。
緊張よりも楽しさが勝ちましたね。

どちらかと言うとステージに上がるまでのパンプアップの時間などが一番緊張しました(笑)。

 

──大会に出るときはどのくらいの自信がありましたか?

大会の一ヶ月前は筋力はある程度残っていたのですが、絞りが間に合ってなかったのでその時はあんまりなかったかもしれないです。

このままではまずいと思ったので、同じフィジーク選手で私の先輩であるTさんに、その後の食事やトレーニング内容を見つめ直していただいたんです。

そのおかげで直前までの期間である程度絞る事ができました。
Tさんにも「優勝が狙える」という嬉しいお言葉を頂いていたので自信はあったのですが、試合時のバックステージで同じ階級の方達を見ると少し不安にはなりましたよ。
ですが、パンプをすると予想以上に体が張ってくれて、ステージ上では自信しかありませんでした。

 

──大会中、バックステージ、ステージ上で意識していたことはなんですか?

バックステージでは周りに惑わされないようにしていました。

つい、周りを見てしまって不安になってしまったりすることもあるかと思いますが、「自分が一番でかい」と言い聞かせ続ければ自信も出てきて体も反応してくれると思います。

ステージ上では、審査員にアピールする事を一番意識しました。
どれだけその人の体が良くても審査員が勝ち負けを決めるので、審査員に自分の伝えたい事をしっかりと体で伝えるという事を意識しました。

 

──自分の戦略でうまくハマったなと思ことはありますか?

とくにはないのですが、強いて言うならば1つだけあります。

私はノービスとオープンクラスに出場させていただいたのですが、ノービスクラスの時、パンプアップ時に塩と水を取らずにステージに立ったらあまりパンプしなくて筋肉も張らなかったんですね。
それが個人的には結構失敗したなと思っていて。

ですが、オープンクラスの時にはパンプ時に塩と水とプレワークアウトを飲みました。すると筋肉が張り、いい感じにパンプもしてくれたのでそこがうまくハマったなと思います。
元々、私自身オープンクラスに標準を合わせていたのでよかったです。

 

──見る側とやる側の一番の違いはなんだと思いますか?

1番の違いは臨場感ですかね。

見る側は見る側での楽しみ方があると思いますが、やる側はやる側で間近でトップの選手達を見ることができますし、選手の緊張感が伝わってきたりしてすごく楽しいですよ。

 

──大会など間近で見ていて、この人はすごいなと思った方はいらっしゃいますか?

皆さんすごかったのですが、とくにオーバーオールを取られた神谷さんやオーバーオールで一緒にステージに立たせて頂いた武本さんがすごいと思いました。

 

▼武本選手の記事はコチラ

「IFBBPRO秒読みの男」フィジーカー”武本淳楽”に迫る。

 

──自分で感じている自分のカラダの一番の強み(ストロングポイント)は何ですか?

自分の強みは骨格ですかね。

正直、これといって強い部位はないです。
ただ、肩幅は広いとよく言われます。

 

──今の体を作り出す秘訣はどんなところにありますか?

それは、気持ちですね。

目標を持っていると必然的に体が動くと思うんですよ。

だから、目標を持って継続することが何よりも大事だと感じてます。

 

──同世代の若い人たち向けに、若くして笠井選手のような体を作り出すための方法などあれば教えてください。

しっかりトレーニングをして食事を摂って寝るという事です。

単純なのですが一番大事だと思います。

そのどれかが欠けてしまうと体も大きくならないし、トレーニングのパフォーマンスも落ちて伸びて行かないですから。
とくに、これをしているというわけもなく毎日継続する事ですね。

 

──ちなみに、幼少期はどんな少年でしたか?

幼少期から体を動かす事が好きだったんです。
小学生の頃、祖母に言われピアノ教室に行ったのですが自分にはじっとしているのは苦痛で1週間でやめました(笑)。

そこからは、水泳や野球や陸上競技などしてましたね。

 

──それからどういった経緯で筋トレに出会い、ハマっていったんですか?

私は高校時代から陸上競技を始めたんです。

種目は”やり投げ”を行っていました。
その時から体が大きかったわけではく、結構ひょろひょろで、身長180cmの72Kgくらいで。
ごく一般的な体だったんですよね。

大学生になっても陸上競技を続けたんですけど、ある時競技中に怪我をしてしまったんですね。
それで競技ができない状態が続いて、やる事がトレーニングに限られてしまったんです。

それからトレーニングをよくするようになりました。

ちょうど2つ上の学年にフィジークをされている先輩がいたので、その先輩のアドバイスを聞きながら体を大きくする方法などを教わってトレーニングを続けたんです。

すると74kgだった体重は数ヶ月で20kgも増えて94kgにもなったんですよ。

体重が増えた事でトレーニングで扱える重量が増えたり、体が明らかに変わっていくのが楽しくなり、そこから筋トレにハマって行ったという経緯です。

 

──筋トレをする前と始めた後で変わったことはありましたか?

特に変わった事はないですが、自分に自信がつきました。

 

──基本的な食事を教えてください(とある1日の食事のことでも問題ありません)

増量期も減量期も基本的には食事を1日5食に分けます。

増量期の食事

・1食目
卵3つ、オイコス1つ、ご飯かサツマイモ、果物

・2食目
胸肉200g、ご飯、野菜

・3食目
プロテイン40g、和菓子

・4食目
胸肉200g、ご飯、野菜

・5食目
パスタ100g、胸肉200g

減量期の食事

・1食目
プロテイン20g、卵2つ、オートミール60g

・2食目
低糖質パスタ120g、胸肉200g、野菜

・3食目
胸肉200g、あんこや和菓子、野菜

4食目
胸肉200g、ご飯100g、野菜

・5食目
サバ缶やサバフィレ、オイコス

 

──食事を摂る際に気をつけていることはありますか?

増量中食事を取る際気をつけてる事は、一回の食事でたくさん食べない事です。
常にお腹を7分目くらいに抑えています。

それとタンパク質と炭水化物はしっかり取ることですね。
炭水化物が足りてないとパフォーマンスも上がらず、筋肉も肥大しないので。

あと水分も多く取るようにしています。
筋肉はほとんどが水分で作られているので、どれだけタンパク質をとっても水分が足りていないと意味がないですから。

減量中はタンパク質を多く摂って、かつ、炭水化物を極端に減らさないようにしていますね。

脂肪が落ちなくなってきたら炭水化物はある程度保ったまま運動量を増やす事を意識しています。

炭水化物を削ってしまうとトレーニングの強度や代謝も落ちてしまう事もあるので。

それと炭水化物に関しては、低GI値の食材を選んでいます。
例えばオートミールとかサツマイモとか。
トレーニング後はなるべく吸収の早いあんこや和菓子を食べてました。

 

──付き合いなどで外食をする場合に気をつけていることはありますか?

外食の時はあんまり気にしていないですね。
出来るだけ、低脂質な食材を選んではいますけど…。
吹っ切れて、その日をチートデイに当ててます(笑)。

 

──お酒を飲む席ではいつもどうされていますか?

お酒は私はあまり飲まないんですが、飲んでも少しだけで止めてます。

 

──トレーニングのルーティンを教えてください

トレーニングは週に5〜6回やってます。

基本的に分割などは決めていなくて、1つの部位をすると3日空けてまた同じ部位をするみたいな感じで回してます。
気分によっても種目を変える時もありますよ。

肩は2〜3日に一回は行うようにしてます。
それ以外は3〜4日空けてやってますね。

 

──トレーニングのセットの組み方や重量&回数、インターバルやセット法についてこだわりがあれば教えてください

セット数はどの種目も3〜5セット行い、レップ数は8〜15レップでやってます。

高重量で行う時は8〜10くらいですかね。
最初のセットから潰れるくらいの勢いで行うように意識してます。

インターバルはだいたい1〜2分です。
基本的には回復してから次のセットをするようにしています。
回復しないとベストパフォーマンスを発揮できなくて回数をこなせないので。

 

──トレーニングで最も大切にしていることはなんですか?

最後まで出し切る事ですね。

フォームなどを意識して軽い重量でトレーニングする時などもありますが、やはり筋肉を限界まで使うという事が大事だと思ってます。

とはいっても、フォームが定まっていない状態でトレーニングしてしまうと怪我にも繋がるので、しっかり正しいフォームで扱える最大重量でトレーニングするようにはしてますね。
トレーニングの重量は他の方と比べると全然弱いですんですけど、やり方と考え方次第で大きくなれると思っています。

 

──普段から飲んでいるサプリメントを教えてください。

プロテイン、EAA、BCAA、クレアチン、シトルリン、マルトデキストリン、ビタミンD、ビタミンB、亜鉛です。

 

──トレ前とトレ中、トレ後のサプリメントはどんなものを摂取していますか?

トレーニング前は1時間くらいに、ご飯やパスタと胸肉200グラムを食べてます。
それと、アルギニンをとっていますね。

プレワークアウトはあまり摂ってないですが、眠たい時や調子が良くない時は摂ってます。

トレーニング中はマイプロテインのBCAA、シトルリン、クレアチン、そしてパープルラース(EAA)を摂取してます。あと、マルトデキストリンを60gですね。

トレーニング後はプロテイン40gとクレアチンを5gを摂取してます。
カーボはあんことかおにぎりとかですかね…。
マルトデキストリンをプロテインに混ぜて飲んだりもしてますよ。

 

──体のコンディションを整えるために行っていることは何かございますか?

週に1回くらいで整骨院に行って、月に一回くらいで温泉に行ったりしてます。
オフの時はYouTubeでトレーニング動画を見たりDVDを見たりして、比較的家にいる時が多いです。

 

──体のコンディションを整えることでどのような変化がありますか?

1番の変化は怪我をしなくなった事ですね。

前までケアをしていなかった時は肩や腰などをよく怪我をしていたんですが、積極的にケアするようになってからはパフォーマンスも上がり、怪我をしなくなりました。

 

──体のコンディションを整えることについてどのようにお考えですか?

コンディションを整える事はトレーニング以上に大事だと思います。

私は怪我や違和感がある時はトレーニングをやめるか、他の部位のトレーニングをするようにしてます。
コンディションが悪いと重量も持てないですし、怪我をしてしまう恐れがありますので。

そういう意味で、ケアをすることはトレーニングをする上で最も大切だと思います。

 

──リフレッシュはどのようにされていますか?

映画などを見たりどこかに出かけるのが好きです。
それ以外は家でゴロゴロしていますね。

 

──リフレッシュは大切だと思いますか?

大切ですね。
トレーニングは好きですが、リフレッシュする事で次からのトレーニングへの姿勢も変わり、やりたい気持ちが強くなるので。

私はリフレッシュする時はしっかりリフレッシュする事が大事だと思ってます。

 

──あなたにとって筋トレとは?

私にとって筋トレは”人生の一部”ですね。

筋トレがなければ今の自分は無いと思います。

──最後の質問です。今後の意気込みと目標、最終的にどんな存在になりたいのかを教えてください。

今後は日本のトップレベルで戦えるフィジーカーになって、日本のフィットネス界に自分の名前を轟かせたいです。

 


 

・笠井大輔

1998年12月31日生まれ。身長181cm。大阪府出身。OFF期の体重95kg、ON期の体重77kg。Evolgear South Japan Championships +175 ノービス4位、オープン1位。BIG3のMAX重量はベンチプレス150kg、スクワット170kg、デッドリフト230kg。好きな言葉は「未来は自分で切り開くもの」。

 

・Instagram

https://www.instagram.com/ks_dk1231/

 

 

文・編集:月刊 MEN’s PHYSIQUE 編集部 (@gekkan_mensphysique)
編集長:岩村正也(@gunson_fit)

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