あなたの睡眠時間は何時間??
月刊 MEN’s PHYSIQUE に掲載しているトップフィジーカー60名の睡眠時間を調査した。
すると、いくつか面白いことが分かった。
それを紹介する前に、まずはトップフィジーカー60名全員の睡眠時間をグラフにしたものをご覧いただきたい。
トップフィジーカー60名の睡眠時間は?
こちらのグラフをご覧いただきたい。
これはトップフィジーカー60名の睡眠時間である。
見ていただければわかる通り、トップフィジーカーの睡眠時間は人それぞれである。
一般的に睡眠時間は7時間以上が良いと言われているが、7時間以上の睡眠が取れているのは40%以下しかいない。
これには何かしらの理由があるかもしれない。
7時間以上睡眠を取る選手の意見
▼有川隆一選手
(2020 SUMMER STYLE AWARD 日本大会 PHYSIQUE 3位)
「疲労回復、横になることでの内臓の血流増加による消化吸収促進、休息による筋肥大促進させるのがこの睡眠時間の理由です。寝るのは12時前後から7時前後ですね。
睡眠時間が減った場合は、明らかなパワー不足やトレーニング中の心拍数の増加(息が上がりやすくなる)などを感じます。」
▼村山拓真選手
(2021 FWJ NATIONAL PRO QUALIFIER メンズフィジーク CLASS A 優勝)
「7〜8時間取るのは、純粋に寝るのが好きというのがひとつあるのと、この時間に寝ると仕事もトレーニングも元気に頑張れるからというのがあります。
睡眠の質はかなり部屋の温度に左右される感覚があって、僕は少し涼しいぐらいが一番ぐっすり寝れますね。寝る時間は深夜2時〜10時ぐらいです。
睡眠時間は7〜8時間取らなくても5〜6時間取ってればなんとかなります。ですがそれを下回ると、日中眠くなったり、ガソリン切れになったりします。」
6時間以上睡眠を取る選手の意見
▼渡會航太郎選手
(2019 FWJ MOLA CUP メンズフィジーク −175cm 2位 )
「6時間以上睡眠時間を取るのは、トレーニングの強度を保つためですね。だいたい2時から8時・9時くらいまで寝ます。
睡眠時間が足りないと、いつもの強度で追い込みきれない感じはしますね。
あと減量中は翌朝の体重の落ち具合が違うのでなるべく6時間以上は取るようにしています。」
▼毛利智明選手
(2021 マッスルゲート神奈川 クラシックフィジーク -168cm 優勝)
「睡眠時間は日によって作業が長引いたりするので6〜8時間とバラバラです。
感覚として目覚めが良いと感じるのは8時間睡眠の時ですね。
寝る時間は0時〜2時で起きるのが8時〜9時くらいで、睡眠時間が5時間などになると、体がだるく脳がボヤ〜とする感覚があります
それと、睡眠の質を確保するために枕を工夫していて、日によってしっくりくる枕が違うので、柔らかい枕と硬めの枕の2つ用意してます。」
5時間以上睡眠を取る選手の意見
▼玻座真陸選手
(2021 FWJ APRILIS CHAMPIONSHIPS メンズフィジー オープン +175cm 優勝)
「5〜6時間睡眠なのは会社員として働いているため残業や早朝出勤というのが大きな理由ですね。
早朝出勤前or勤務後にトレーニング(約1時間半)を行なうと睡眠がとれてもその時間になってしまいます。
そのため睡眠の時間ではなく質にこだわりっていて、低反発枕にしたり、メラトニンを摂取したり、朝は日光浴びたりなど、生活習慣を意識的に良いものにするように取り組んでおります。
ちなみに、睡眠時間が長いときと比べてもトレーニングへの悪影響は感じません。
生活が習慣化されていて身体がその循環に適応しているからか、この睡眠時間でもパフォーマンスの良いトレーニングが続けられていると感じます。」
▼武本淳楽選手
(2020 FWJ IFBB PROFESSIONAL LEAGUE JAPAN NATIONAL PRO QUALIFIER メンズフィジーク クラスA 2位)
「寝れる時は7時間寝るのですが、個人的に5〜6時間寝ておけば睡眠不足な感覚はないです。ただ、4時間になるとしんどいですね。
増量期で内臓が疲れてる時に睡眠時間が4時間くらいまで短くなってしまうとかなり疲れます。
あとは減量の後半だとお腹空いて早く目が覚めたりしますね。はやく朝ご飯を食べたくて、それが楽しみ過ぎて、どうしても5〜6時間睡眠になってしまうんです(笑)。」
5時間未満の睡眠を取る選手の意見
▼山室修平選手
(2020 FWJ CRONOS CUP クラシックフィジーク 2位)
「寝るのはだいたい”2時から7時”か”3時から8時”で、5時間弱くらいの睡眠時間です。
これは、仕事が朝9時から夜の23時過ぎまででそこからトレーニングに向かうことが多いというのが大きな理由ですね。
睡眠の質に関しては、正直あまり考えていません。
睡眠前の食事は気をつけることが多いですが寝具などは枕をしないことくらいでこだわりはありませんし。
この睡眠時間よりも短くなるとトレーニングの強度、集中力が大きく下がる感覚はあります。」
▼杉中一輝選手
(2019 JBBF 三重県ボディビル選手権 優勝)
「目覚ましが鳴る前にいつも起きてしまう感じです。それでいつも夢を見ますね。
睡眠時間が短くてもトレーニングには全く影響出ないです。やる前は少し眠いですが、1種目めに入ったらスイッチが入って目覚めますね。」
▼太田佑一選手
(2020 FWJ WEST JAPAN CHAMPIONSHIPS スポーツモデル 優勝)
「会社員をしているので平日はトレーニングをする時間が22時からと遅く、寝るのが2時〜7時くらいになっています。
睡眠の質も感覚的にはあまり良くないですね。ただ、休日は割と長く寝ますので体が少し軽く感じます。やはり長い方が良いですね。」
睡眠時間が短くなるとトレーニングの質が下がると答えた選手が多数
睡眠時間が短くなるとトレーニングや日常生活に支障をきたす選手が多くいる一方、少数派ではあるが山室選手や杉中選手のように5時間未満でもトレーニングの質を保てる選手もいるようだ。
専門家の意見は?
大塚製薬が運営する「睡眠リズムラボ」によれば、
「睡眠時間は人それぞれ、日中の眠気で困らなければ十分」というくらいで、睡眠時間にはこだわらなくて良いというのが専門家の見解です。
成人の場合は、個人差はあるものの6~7時間前後の睡眠時間が目安です。
とのことだ。
睡眠時間は6〜7時間がベスト
睡眠時間については少し個人差がありそうだが、ショートスリーパーなどでは無いかぎり、6〜7時間がベストだろう。
これだけの睡眠時間を確保できればトレーニングの質が上がり、体も変わりやすくなるはずだ。
番外編:8時間以上睡眠を取る選手
塚本選手が今回、8時間睡眠について教えてくれた。
──8時間以上睡眠を取るのにはどんな理由があるのですか?
昔の人は陽が沈んだら寝て、陽が登ったら活動すると担任の先生が言っていたからです!
──塚本選手の睡眠の質はいかがでしょうか?
質がいいのかはわからないですが、高級マットレスを使用しているので、良いとは思いますよ。
フカフカです(笑)。
──普段は何時から何時まで寝るんですか?
何時とかではなく、陽が登ったら起きて陽が沈んだら寝ます。
…僕はゴリラですか?
──忙しい人や時間がない人はどのように睡眠時間を確保したら良いと思いますか?
考えるふりをして、こっそり寝るのはどうでしょうか?
「ちょっと考えてみますね。う〜ん…zzz」とか。
…さすがの才能である。
▼取材協力
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