「体幹を鍛えすぎたり、スクワットやデッドリフトをやりすぎたりするとウエストが太くなる」
こんなことを言われたことがある人も多いのではないでしょうか?
実際、スクワットやデッドリフトなどの体幹に大きな負荷をかけるエクササイズが、ウエストにどう影響するのかは気になりますよね。
ということで今回は、体幹や腹圧とウエストの関係性、そしてウエストが太くなるメカニズムについて深掘りしていきます!
体幹とスクワット・デッドリフトでウエストが太くなる!
まず結論から言います。
体幹を鍛えるトレーニング、そしてスクワットやデッドリフトを高重量で行うようなトレーニングはウエストを太くする可能性があります。
もちろん100%ではないですが、ウエストが肥大化する可能性は高いです。
ではそれはいったいなぜなのか、
それは
「体幹のトレーニングで鍛えられすぎること」
「腹圧が強くかかること」
の2つが挙げられます。
こちらについて詳しく説明していきましょう!
体幹強化がウエストを太くする?
体幹を鍛えるトレーニングやスクワットやデッドリフトなどの高負荷なトレーニングでは、体幹の筋肉が大きく使われます。
なかでも「腹斜筋」「腹直筋」「腹横筋」の3つの筋肉は体を安定させたり姿勢を保ったりするために、とても重要な役割をしています。
しかしこの3つの筋肉が発達しすぎると、ウエストが太く見える原因となることがあるのです。
一般的に、背骨と骨盤がある「首」「胸」「背中」「腹」「腰」「尻」のことを指します。
四肢(腕と脚)と頭以外は体幹と覚えておけば間違いないでしょう。
体幹は抽象的な概念ではないので間違えて覚えないように!
腹斜筋がウエストを広げる!
ご存知の通り、腹斜筋はウエストの側面にある、側屈したり体を捻ったりする時に使われる筋肉です。
ツイスト系のトレーニングや高重量のスクワットやデッドリフトではこの腹斜筋に大きな刺激が入ってしまい筋肥大が進むことがよくあります。
この結果、ウエストの横幅が広がって見えることが多いです。
実際、フィジークの選手の中にはウエストを太くさせないために腹斜筋を鍛えないようにしている人も多くいます。
腹筋を鍛える時は縦方向(前後)の動きだけにして腹直筋だけを鍛えるようにしています。
腹直筋は鍛えても大丈夫なの?
腹直筋が発達してもウエストの横幅には大きな影響を与えないので競技などにはそこまで大きな影響は出ないと言われています。
ですが、ひとつ気をつけなくてはいけないことがあります。
それは「厚みが増すこと」です。
腹直筋はとても薄い筋肉ではありますが、鍛えればどんどん分厚くなっていきます。
その結果、ウエストが太く見えるようになってしまうことはあるでしょう。
とはいえ横に広がって見えるは少ないため、ウエストの見た目に直接影響を与えるのは主に腹斜筋の肥大と言えます。
ボディビルやクラシックフィジークでは、バキュームができるようになればそこまで問題ないと思います!
腹圧でウエストが太くなるのはなぜ?
ウエストの太さに関わる重要な要素には『腹圧』もあります。
スクワットやデッドリフトでは腹圧をかけて腹斜筋や腹横筋を使うことで体を安定させますが、これが筋肥大を引き起こしウエストが太く見える原因となることがあります。
体幹は首から尻までの部位の事を指し、体幹力はそれらの部位を固定する力のことを指します。
一方で腹圧は『重い物を持ち上げる際になどに内からの圧を高めて脊椎を守るための生理的な反応』です。
簡単に言えば「体幹は体の部位」のこと「腹圧は内から圧を高める動き」のことになります。
腹圧が筋肥大に与える影響
実際の文献でも、高重量のフリーウェイトトレーニングなどをすると腹筋周りの筋肉に大きな負荷がかかって肥大し、ウエストが太くなってしまうことが言われています。
さらに、慢性的に高重量のスクワットやデットリフトなどを行うことで腹圧が高い状態が続くと、腹部の筋肥大が加速してウエストの広がりにつながる可能性があるということも明らかになっています。
とくに脂肪が多い人は腹圧が高くなることがあるので、増量期に体重を大きく増やしている人は気をつけてください。
ウエストを太くせずに筋肥大する方法
ウエストが太くならないようにしながら全体的に筋肥大を目指すためには、いくつかの方法があります。
その中でも効果があると言われているものを2つ紹介します。
1, トレーニングベルトの使用
トレーニングベルトを使うと腹圧をサポートして腹斜筋や腹横筋への過度な負荷を抑えられることがあります。
これのおかげでウエスト肥大を防ぐことができたりします。
ただしトレーニングベルトを使うことで筋肉の成長が完全に抑えられるわけではありません。
あくまでもウエストが肥大するリスクが落ちるというだけなので「ベルトをしておけば絶対に太くならない」と勘違いしないように気をつけてください。
競技に出場している選手であれば、数%でもウエストが変わる可能性があるならやるべきでしょう。
2, マシンウェイトを行う
体幹に大きな負荷をかけないようにするために、スクワットやデッドリフトの代わりにレッグプレスやハックスクワットなどのマシンを使っていくのもアリです。
マシンを使うことで体幹への負荷を抑えつつ、脚や背中の筋肥大をさせることができます。
フリーウェイトよりは”やった感”がなくなってしまうかもしれません。
ですが、実際のところはフリーウェイトは体幹の維持の方にかなりの力が奪われてしまい、効率よく脚の筋肉を鍛えられていない場合があります。
そのため、マシンの方がむしろ大きな効果が出る場合もあったりします。
「スクワットやデッドリフトを完全にやめるべきか?」という疑問が出ることがありますが、これらのエクササイズは全身の筋肉を効率的に鍛えるために非常に効果的です。トレーニングバリエーションを工夫し、体幹への負荷を抑えながら行うことが推奨されます。
3, 腹筋トレの頻度を調整する
ウエストの肥大を防ぐためには、腹筋トレーニングの頻度や負荷を調整することも効果的です。
とくに腹斜筋の鍛えすぎや腹圧がかかり過ぎるトレーニングはウエストをかなり太くするため、サイドクランチやアブローラーといったトレーニングはやりすぎないようにし、腹直筋だけを鍛えていくようなトレーニングを行なうようにすると良いでしょう。
腹斜筋は一切鍛えないの?
ここまで読んでくると「じゃあ腹斜筋を一切鍛えない方が、ウエストが細くなっていいってこと?」という疑問が出てくると思います。
たしかに腹斜筋の肥大はウエストの太さに影響するのでそれはある意味では正しいです。
しかし腹斜筋は体幹の安定に不可欠な筋肉なので、完全に鍛えないという選択肢はあまりよくありません。
じゃあ、どうしたらいいのか。
おすすめなのは以下2つの方法です。
方法①:腹斜筋を過度に刺激するエクササイズを避ける
高強度のサイドベンドやサイドクランチ、高重量を持ったロシアンツイストなど、腹斜筋に大きな負荷がかかるエクササイズを避けるのが良いでしょう。
とくにハンギングワイパーなどの高強度の回旋系トレーニングは避けた方が良いかもしれません。
基本的には体幹の安定に必要な範囲のみ鍛えるのがおすすめです。
ですが、ベルトを使用すればそもそもそこまで大きな体幹力をつける必要がないので、ほとんど鍛えなくて良いでしょう。
方法②:腹斜筋を鍛える頻度を減らす
腹筋トレーニングを週1回程度に抑えることで過度な筋肥大を防ぐことができます。
とくにツイストクランチのような腹斜筋を使うエクササイズの頻度を減らすことで、腹斜筋の過剰な肥大を避けることができるでしょう!
お腹から力を抜いて筋トレすれば良い?
「腹圧をかけずにトレーニングすればウエストが太くならないのでは?」
という疑問もよく耳にしますが、実際には腹圧をかけないトレーニングはとてもリスクが高いです。
腹圧は重い重量を扱う時に体幹を安定させて背骨を守るために欠かせない要素。
中でもスクワットやデッドリフトでは、腹圧がないと背骨に大きな負荷がかかり、怪我のリスクが上がります。
そのため腹圧をかけないトレーニングというのはあまり現実的ではありません。
というよりやめた方が良いでしょう。
ただし背もたれに背中や胸、お腹などをつけて行なうトレーニングを行なうようにすることで腹圧を最小限い抑えられ、筋肉の過度な肥大を防ぐことができます。
そのため腹圧を弱めるというよりも、腹圧をあまり使わないようなトレーニングを選択していくのがおすすめです。
まとめ
ウエストが太くしないで筋肥大をさせるためには、体幹・腹圧に力を入れすぎないこととトレーニング方法を工夫することが重要です。
トレーニングのバリエーションを工夫して、マシン種目や腹圧をあまり使わない種目、負荷が軽い種目、を取り入れることでウエストの肥大を抑えることができるかもしれません。
今回紹介したことを実際に試して実際に自分にはどんなやり方が合っているのかを見つけていっていただければと思います!
それでは良いフィットネスライフを!
参考文献:SpringerOpen、BioMed Central、SpringerLink
文・編集:月刊 MEN’s PHYSIQUE 編集部 (@gekkan_mensphysique)
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