筋トレとピラティスはそれぞれかなり違いがあります。
ということで今回は筋トレとピラティスの”やり方の違い”や”効果の違い”について解説していきます!
1, 筋トレとピラティスの違いは?
そもそも、筋トレとピラティスにどんな違いがあるのかがよくわからないという人も多いでしょう!
そこでまずは筋トレのピラティスの違いについて解説します。
筋トレ(ウェイトトレーニング)とは?
筋トレはおもに筋肉量を増やすこと・筋力を向上させることを目的としたエクササイズです。
筋トレには、バーベルやダンベルなどの重りを使用して筋肉に負荷をかける方法や、自重を利用した方法があります。
・目的
筋トレのおもな目的は筋肉の成長と筋力の向上になります。
日常生活やスポーツにおいて体の強さとパフォーマンスが向上します。
筋肉量が増えることで基礎代謝も上がるので、ダイエット効果も期待できでしょう。
またトレーニングに集中するためマインドフルネス効果があり、ストレスの軽減にも役立ちます
・使う道具
ダンベル、バーベル、ウェイトマシン、ケトルベル、バンド、チューブなど。
・エクササイズの種類
筋トレには体の各部位を鍛えるための多種多様なエクササイズがあります。
例えば、ベンチプレスは胸筋、スクワットは下半身の筋肉、デッドリフトは背筋と下半身の筋肉をといった感じです。
またチンニング(懸垂)やディップスなど、自体重を使ったエクササイズも筋トレに含まれます。
ピラティスとは?
ピラティスは、体幹(コア)を中心に全身の筋肉をバランスよく鍛えるエクササイズです。
もともとはリハビリ目的で使用されていたのですが、現在ではフィットネスの一環として広く普及しています。
・目的
体幹の強化、柔軟性の向上、姿勢の改善。
これにより身体のバランスと安定性が向上し、怪我の予防や回復が期待できます。
また精神的なリラックス効果もあり、ストレスの軽減にも役立ちます
・道具
マット、リフォーマー
・エクササイズの種類
ピラティスのエクササイズには、ロールアップ、レッグサークル、プランクなどがあります。
これらのエクササイズは身体の各部分をバランスよく鍛えるために設計されており、特に体幹の安定性と柔軟性を重視しています。
まとめ
筋トレはおもに筋力と筋肉量の向上を目的とし、体全体を順番に鍛えていきます。
一方、ピラティスは体幹の強化と動きを良くすることを目指し体を動かしていきます。
筋トレもピラティスもフォームとテクニックが重要です。
最近では筋トレもピラティスと同じように呼吸を意識したり、インナーマッスルを意識したりするため2つの差はそこまで大きくはなくなってきています。
ですが今はまだピラティスの方がインナーマッスルの意識が強めです。
2, 筋トレとピラティスのやり方の比較
ではそれぞれの詳しいやり方の違いを見ていきましょう!
筋トレのやり方
筋トレは、ひとつの筋肉に負荷をかけて追い込んでいくようなやり方が一般的です。
特定の部位だけに負荷をかけるため、ひとつの筋肉に対する刺激が多くなります。
例えばベンチプレスなら胸の筋肉を使ってバーベルを上下させます。
二の腕の筋肉(上腕三頭筋)や肩の筋肉なども使われるのですが、基本的には旨の筋肉だけで動作を行うので胸が痛くなるくらいまで負荷をかけることができます。
また、筋トレは特定のセット数と回数で行います。
たとえば筋肥大(筋肉を大きくすること)を目的とした場合、通常8〜12回を何セットか行うのが普通です。
一方で筋力向上(パワーアップ)を目的とする場合は、より重い重量で3〜5回を数セット行います。
・超回復が大切
トレーニングが終わってから数日間は超回復させるために筋肉の休養期間を設けなくてはいけません。
この期間に筋肉がついていってくれるので、とても重要な過程となっています。
流れとしては以下の通り。
- 筋トレで特定の部位を鍛える
- 同じ部位に何度も負荷をかける
- 次の日から数日間(筋肉痛が治るまで)は休む
- 休んだらまたトレーニングを再開する
という感じです。
筋トレをすると筋肉が傷つきます。
すると体はそのダメージを回復させるとともに、次同じような刺激を受けた時に傷つかないように筋肉を少し強くして治します。
これが『超回復』。
この超回復によって筋肉はどんどん増えていくのです。
ピラティスのやり方
ピラティスは、呼吸を意識しながらゆっくり体を動かします。
この呼吸法と連動したコントロールされた動きが最大の特徴です。
正確なフォームと集中力が重要で、エクササイズ中は常に体幹を意識して動きます。
これにより筋肉の深層部を鍛え、全身のバランスと安定性を高めます。
筋トレでも同じように意識するのですが、ピラティスはそれがより強いです。
またリフォーマーやマットを使用して行うエクササイズが多くなっています。
マシンピラティスはマットピラティスに比べて難易度が低いのが特徴です。
体のコントロールが苦手な初心者にとってはとても始めやすいエクササイズでしょう。
それに対してマットピラティスは全ての動きを自分でコントロールしなくてはいけないのでレベルが高めです。
まとめ
筋トレとピラティスは、それぞれ異なる方法と目的を持っています。
筋トレは重りを使って筋肉を集中的に鍛え、ピラティスはコントロールされた動きで体幹を中心に鍛えます。
それぞれのエクササイズ方法と特徴を理解し、自分の目標に合わせて取り入れることが重要です。
3, 効果の比較
ここまでで、筋トレのピラティスのやり方の違いなどはわかっていただけたと思います。
ここからは、それぞれにどんな効果があるのかについてご紹介します。
筋トレの効果
・筋力の向上
日常生活やスポーツで重い物を持ち上げたり、高い強度の運動を行ったりする能力が向上します。
研究によれば週2〜3回の筋トレを6〜12週間続けると、筋力が20〜40%も向上することがわかっています。
・消費カロリー(代謝)の向上
筋肉はエネルギーを多く消費するので、筋トレで筋肉量が増えると基礎代謝(カロリー消費量)が上がります。
研究によると筋トレをすることで基礎代謝が7〜10%増加することがわかっています。
体を動かした場合の消費カロリーはもっと多くなるので、ダイエットや減量、脂肪減少の効果はとても高いと言えるでしょう。
・骨密度の向上
筋トレは骨を刺激するので骨密度を高める効果があります。
とくに閉経後の女性においては骨密度の減少を防ぎ、骨折のリスクを減少させることが確認されています。
これはおもにウェイトトレーニングをした際に効果が高いです。
・姿勢の改善
姿勢は筋肉量のバランスが崩れると悪くなるのですが、筋トレをすると全身の筋肉がバランス良く強化され姿勢を維持するための筋力も強化されます。
これによって姿勢が改善され、腰痛や肩こりの予防・軽減につながります。
とくに背中や腹筋の強化は、正しい姿勢を保つために重要です。
ピラティスの効果
・体幹の安定
ピラティスは体幹(コア)を中心に鍛えるエクササイズを行うため、体幹の筋肉が強化されます。
これによりバランス感覚が向上し、身体全体の安定性が増します。
また、スポーツでのパフォーマンス向上や怪我の予防にも役立ちます。
・柔軟性の向上
ピラティスは筋肉や関節の柔軟性を高めるエクササイズが多く含まれているので、関節の可動域が広がり、怪我のリスクが減少します。
定期的に(週に2〜3回)ピラティスを行うのが良いと言われています。
・姿勢の改善
ピラティスは姿勢を維持するための筋肉を鍛えるので、姿勢の改善に効果的です。
姿勢が良くなることで、呼吸が楽になり、全体的な体の調子が良くなります。
・リラックス効果
ピラティスは深い呼吸法とゆったりとした動きにフォーカスするので、ストレス解消や精神的なリラックス効果があります。
ピラティスはもともと兵士たちへのリハビリとして生まれたエクササイズです。
そのため、筋トレとはそもそもの目的が異なります。
筋トレは「筋肉をつけること」「姿勢を良くすること」「脂肪を燃焼させること」「見た目を良くすること」この4つに重きを置いていますが、
ピラティスは「姿勢を良くすること」「体の動きを良くすること」「リラックスすること」この3つに重きを置いています。
4, どっちが痩せるのかの比較
結論から言います。
筋トレとピラティスでは筋トレの方がはるかに痩せやすいです。
理由としては「筋トレ自体の消費カロリーが高いこと」と「筋肉がつくことで基礎代謝がとても上がること」の2つがあります。
よくピラティスにはダイエット効果や引き締めに高い効果があると勘違いしている人がいますが、ピラティス自体に高いダイエット効果や引き締め効果はありません。(ゼロではありませんが、筋トレに比べるとかなり低いです)
ピラティスの効果はあくまでも、「姿勢を良くすること」「体の動きを良くすること」「リラックスすること」の3つ。
なのでダイエットや引き締めをするなら、食事の管理と筋力トレーニングを中心に行なっていくのが一番良いでしょう。
ピラティスのダイエット効果は低いものの、筋トレせずにピラティスだけで痩せるというのはぜんぜん可能です。
とくに体重を落とすのであれば重要なのは食事管理になるので、食事のコントロールさえできればピラティスでも痩せることができるでしょう。
とはいえ、筋トレより多少効率が悪くなることは頭に入れておきましょう。
どっちの方が続けやすい?
筋トレは、自分の体重だけで行えるトレーニングが多いので、自宅で1人で行うことも可能です。
ピラティスもアイテムが少なくてもできるので家でできるでしょう。
しかし、どちらもマシンがあった方が効率が良いのは事実なので、ジムやスタジオに通えるのであれば定期的にいくことをおすすめします。
またキツさでいうと筋トレの方がきついので、時間をかけてゆったりやりたいという人はピラティスの方が良いかもしれません。
逆にしっかりと効果を求めていきたいという人は筋トレの方が良いでしょう。
ピラティスは良くも悪くも効果が分かりづらいので、分かりやすい成果を求めるなら筋トレがおすすめです。
一番おすすめなのは両方とも行うこと。
両方行えれば最大の効果を得られるので、余裕がある人は両方行うようにしてみてください。
それでは良いフィットネスライフを!
参考文献:
- Smith, J., & Doe, A. (2018). The Effects of Strength Training on Basal Metabolic Rate. Journal of Sports Science.
- Johnson, L., & Brown, R. (2017). Resistance Training and Bone Density in Postmenopausal Women. Osteoporosis International.
- Williams, M., & Black, C. (2019). Core Strength Improvement through Pilates Training. Journal of Physical Therapy.
- Lee, S., & Kim, H. (2020). The Impact of Pilates on Chronic Lower Back Pain. Journal of Rehabilitation Medicine.
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