なぜ今パーソナルジムが伸びるのか。コロナ禍で好調のパーソナルジム、そのワケに迫る。

 

昨今の新型コロナウイルスの影響を受け、各方面で自粛生活が続きフィットネス業界でも売り上げが大きく落ち込んでいる。

しかしそんな中でも売り上げを伸ばしている分野があるのをご存知だろうか?

それが、パーソナルジムだ。

店舗を構えるスポーツジム(いわゆる24時間ジムや総合型ジム)の売り上げはかなり落ちていることが報告されているが、パーソナルジムに関しては業績が上がっているところがいくつもあり、このコロナ禍で大躍進を遂げた企業も少なくない。

ではなぜ今パーソナルトレーニングなのか。
そのワケに迫ろう。

 

コロナ禍におけるパーソナルジムの実情

2020年のコロナパンデミックからパーソナルジムの倒産は相次いだが、それとは反対に急成長を遂げたジムも多かった。

2021年の夏頃に行なったとあるアンケートによると、パーソナルジム全体の約半数近くが以前と同じ売上で、25%ほどが売上が伸びたという結果が出ている。

筆者自身も、業績を伸ばしているパーソナルジムの話はよく聞く。
もちろん潰れていくジムの話も聞くが、想定していたよりははるかに少ない。

それどころか、ジムによってはコロナ禍になってから店舗を増やしたと言う話や、急激な顧客数の増加による人員不足に悩まされているという話すら聞く。

つまりはコロナ禍においてパーソナルジムは、我々が思っていた以上に大きな成長を遂げたのだ。

 

パーソナルジムがウケたワケ…

コロナ禍においてパーソナルジム業界が伸びた理由は何なのだろうか。
もちろんオーナーの頑張りもあるがそれが大きな理由ではない。

パーソナルジム業界が伸びた大きな要因はコロナによる自粛生活にある。

考えてみてほしい…
コロナ禍において運動量が減ったという人はとてつもなく多いはずだ。
巷で「コロナ禍になって運動量減りましたか?」と聞けば、99%の人が”YES”と答えるだろう。

つまり、99%の日本人が運動不足に悩まされているということだ。

そしてもう少し考えて欲しい。
このコロナ禍の中、危険を冒してまで人口密度の高いスポーツジムに運動をしにいくだろうか?

答えは”NO”だ。

ご存知の通り、コロナ禍において新型コロナウイルスに感染するのは何よりも避けたいことだった。
感染でもした日には、まるで国賊のように虐げられ、国民から白い目で見られることだろう。
「みんな我慢して自粛しているのに、外に出て感染したのか非国民め…」という具合に。

そんな危険を冒してまで人々が、スポーツジムにいくとは思えない。

となるとどこへいく?
そう。人口密度が低く、さらに自粛生活でだらけきった自分をマンツーマンで鼓舞してくれるパーソナルジムだ。

 

 

人々がパーソナルジムに求めるものは…

一般の人が運動不足を解消するためにパーソナルジムに行くとして、ひとつわからないことが出てくる。
それは、運動不足を解消するにしてはあまりにも料金が高額なことだ。

基本的にパーソナルジムは1時間のトレーニングで1万円くらいの価格帯。どんなに安くても5000円は下らないだろう。

そんな高額なジムに契約する利用者は果たして本当に運動不足解消だけが目的なのだろうか?

おそらくこの答えも”NO”だろう。
運動不足解消のために1回1万円もかけるわけがない。(相当なお金持ちであれば別だが)

では一体ユーザーはパーソナルジムに何を求めているのだろうか?

それは「正しいトレーニングのやり方」だ。

パーソナルジムに来る人が最近口を揃えて言う事がある。
それは、「自分がやっているトレーニングが正しいのかわからない」だ。

彼らは「運動不足解消のためにyoutubeを見てトレーニングしているのですが、自分一人だとフォームが正しいのかどうかわからない。」「パーソナルトレーニングをお願いしてトレーニングのやり方を教えて欲しい」と話す。

もちろん、ダイエットをしたいという人や筋肉をつけたいという人もたくさんいるだろう。

しかしコロナ以前とここ最近のパーソナルジムに行く人の目的を聞いた時に大きな違いがあるのは間違いない。

 

スポーツクラブを禁止されてパーソナルに来る人も…

そのほかの理由でパーソナルジムを選ぶ人たちもいる。
会社や周りからスポーツクラブに行くことを禁止されている人たちだ。

とくに医療従事者やテレワークを推進している会社に勤める会社はスポーツクラブの禁止令を出しているところが多い。

こういった人々が、こぞってパーソナルジムに行くようになった。

そして医療従事者といえば、一般的な会社員よりもはるかに給料が高く経済的に余裕があることは世間の知るところ。
そのため、パーソナルジムが「値段が高いから」という理由でためらう人も少ない。

そんな人たちが運動をする場所を求めてパーソナルジムに行くというのは、至極当然のことであり、2020年4月〜5月の第一回緊急事態宣言明けからこの流れは生まれた。

これはパーソナルジムを経営する人たちにとって朗報であり、これからパーソナルジムをオープンさせたいという人たちにとっても朗報となるだろう。

 

 

著者・監修者プロフィール

岩村正也

月刊 MEN’s PHYSIQUE 創設者・編集長
全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会公認フィットネストレーナー|adidas FANCTIONAL TRAINING TRAINER
モデルや俳優・歌手など、数多くの芸能人のトレーナーを務めている。自身が店長を務めるパーソナルジムの店舗を年間売上3500万円まで伸ばした。

 

 

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