「正しいボディメイクの方法を学ぶこと」(山室修平選手)
今回は、メンズフィジークからクラシックフィジークへと転身した、若き怪物”山室修平”選手に話を聞いた。
果たして、山室選手が語るフィジーク論とは…??
──2018 NPCJ 大阪メンズフィジーク ノービス-170 11位、2018 NPCJ 広島 メンズフィジーク ノービス-170 5位、2020 FWJ CRONOS CUP クラシックフィジーク 2位という素晴らしい成績を残されていますが、この成績についてはどう感じていますか?
この成績に関しては毎年確実に成長していることが感じられるのでとても嬉しいです。
ただ一度も1位になってないということを考えると、まだまだ自分の弱さがたくさんあるなと感じますね。
悔しさが頭に常にありますよ。
大阪大会のときはあまりにも悔しくてコンテスト終わりにそのままジムに行ったぐらいです。
ですが体なんてものはすぐに変わるものではないので、時間をかけて今まで通りに進めていきたいなと思っています。
それとは別に、毎回大会のあとは減量の達成感がとてつもなくありますね。
ちゃんとここまでやってこれたんだって思えます。
──様々な大会で実際にステージに立ってみて、どのようなことを感じましたか?
「難しさ」ですかね。
ステージでのポージングと、いつもジムなどでやっているリラックスした状態でのポージングの練習の時とでは全く感覚が違うんですよ。
──それはやはり緊張ですか?
そうですね。
ステージ上では緊張してるので、思ったように動けないことが本当に多いです。
ステージでの表現の難しさを毎回痛感してますよ(笑)。
あと、バックステージでは毎回他の選手がとてつもなく大きく感じますね。
みんなすごく見えますよ(笑)。
──何度も出場していても大会に出るときは緊張るものなのですか?
多少は。って言う感じですね。
でもやっぱり最初の方、とくに2018年の時はかなり緊張しましたよ。
周りの選手が気になって仕方なかったです。
ただ直近の大会では自分のコンディションに目を向けていたことと、バックステージでのサポートのおかげでとても心身ともにいい状態でした。
今後は緊張することはないかと思います。
──大会に出るときはどのくらいの自信がありますか?
減量はあんまり苦手ではないので、大会前から大会直前までは順調に減量が進むという意味である程度自信があります。
ただ大会の会場ではサイズの無さで心配になることはありますね。
サイズは永遠の課題なんで。
──ステージ上では自分の悪いところばかり見えてしまうのでしょうか?
確かに悪いところは見えますが、全部が全部そうでもないですよ。
実際、バックステージからステージ上までは吹っ切れて、「もう、楽しもう!」という感覚が強いです。
これまで何ヶ月も減量してステージはほんの数分間なんだから楽しまないともったいないわけですよ。
だからもう、、、楽しみます(笑)。
──大会中、バックステージで意識していること、ステージ上に立った時に意識していることはなんですか?
バックステージもステージ上も腹筋を消さないように食事や水分の時間や摂り方はすごく気をつけてます。
──フィジークの大会でミッドセクションは大切ですか?
大事です。
ステージ上でも「常に腹筋は良い状態を保てるようにしよう」と頭の中では考えてます。
頭の中では…(笑)。
でも、なかなかうまくいかないんですよ(笑)。
──自分の戦略でうまくハマったなと思ことはありますか?
戦略で言うと、有酸素運動をHIITに切り替えたことですかね。
これを切り替えたおかげで筋肉量を残せたという感覚がかなり強かったので、これは本当にいい選択だったと思ってます!
──大会など間近で見ていて、この人はすごいなと思った方はいらっしゃいますか?
カッコいいなと思って憧れているのはプロクオリファイにも出場され、YouTubeもされている喜納穂高選手ですね!!
あんな身体になりたいです。切実に。
──自分で感じている一番の強み(ストロングポイント)は何ですか?
うーん、正直絞り以外は全く何も大したことないです。
さらに絞りのレベルを上げながら課題のサイズが伴えばいいなと思ってます。
なので「強みは絞りです」と言いたいですね(笑)。
──逆に自分のカラダの弱み(ウィークポイント)はなんですか?
圧倒的にサイズ不足ですね。
ここは時間をかけて確実にボリュームのある身体にしたいです。
──大会でも上位に入りまくりという印象がありますが、今の体を作り出す秘訣はどんなところにありますか?
先ほどもチラッと言いましたが、どのコンテストでも言えるのはミッドセクション(腹筋周り)です。
ミッドセクションは本当に重要だと思っているので、トレーニングでも腹筋をやり込む時期をしっかり設けてました。
しつこいようですが、腹筋でのインパクトはとても大切です。
最近はサボりがちなのでこのインタビューを機に頑張りたいと思います(笑)。
──自分への戒めですか…?
はい(笑)。
本当に最近サボっていたので。
──山室選手はメンズフィジークからクラシックフィジークへ転身しましたが、それにはどのような背景があったんでしょうか??
もともとフィジークもとても好きでかっこいいなと思っていたのですが、自分の脚に対してのトレーニングのこだわりが強くなって来ると共に、脚が太い選手がカッコよく感じるようになりました。
ただフィジークでは脚はサーフパンツで隠れてしまうじゃないですか。
こんなにきつい脚トレを日々乗り越えているのに、審査基準に大きく影響しないのはかなり悲しいなと感じたんですよ。
それでクラシックフィジークに移行しようと決意しました。
もちろん、フリーポーズや規定ポーズのかっこよさも惹かれたポイントですよ。
──今後、クラシックフィジークで勝っていく自信はありますか?
勝っていく自信はあります。
ただそんな簡単なものでないことも理解していますし、自分のレベルの努力ではまだまだ足りません。
なので謙虚な姿勢を持って、来年もさらに進化したいと思ってます。
──なにか不安なことなどはないんですか?
不安は全くないですよ。
むしろ、フリーポーズという自分の時間があるところが魅力的で、楽しみですよね。
楽しいことが全てですので、今後も楽しみながら自分の理想を追っていきます。
──同世代の若い人たち向けに、若くして山室選手のような体を作り出すための方法などあれば教えてください。
正しいボディメイクの方法を学ぶことですね。
と言うのも自分が正しいトレーニングを知るまでにかなり時間がかかり、たくさん怪我しながらここまで来たので。
お金を払ってでも知識のあるトレーナーさんをつけて、正しいトレーニングを身につけることが大切だと思いますね。
──それ、皆さんおっしゃいますよね。
そりゃそうですよ。
絶対にそっちの方が早いですもん。
──ちなみに、幼少期の山室選手はどんな少年でしたか?
幼少期から負けず嫌いなのは間違いないです!
テレビゲームでも負けそうになったら電源を切るような子でした(笑)。
──それ、相当ですね(笑)。それからどのように筋トレに出会い、ハマっていったんですか?
筋トレは大学2年生の時に始めたのがきっかけです。
元々はサッカーのために筋トレを始めたのですが、実際にやっていくとみるみる身体が変わって行きまして、、
その変化を見ていると、サッカーよりも楽しくなっちゃったんですよね(笑)。
気づいたらサッカーも辞めてこんな感じになってましたよ(笑)。
──筋トレをする前と始めた後で変わったことはありましたか?
自己肯定感は高くなるかなって思います。
自分で課したトレーニングメニューやノルマを乗り越えていくうちに自分で自分を褒めることが身についたのでこれは筋トレの良い効果と変化かなと!!
──確かに、筋トレしている人で自己肯定感低い人ってあんまりいないですね
そうなんですよ。
本当に少ないです。
だから、自己肯定感が低い「自分なんて……。」って言っている人にこそ筋トレをして欲しいなと思います。
──基本的な食事を教えてください。まずは増量期の食事から。
増量期は基本はクリーンな食事(餅、卵、鶏モモ)はベースにありますが、そこまでストイックにはできていません。
ジャンクフード系も好きなので食べますし。
空腹を感じる時間を無くすようなイメージで食事をとってます。
大体1日 6〜8食ですかね!
──減量期の食事はどうでしょうか?
減量期はマクロの計算などは全くしないです。
いつも大体2400kcalから2000kcalまででコンテストまでカロリーは下げずに行きます。
食材は餅、卵白、サバ、ささみ、納豆をよく食べますね。
──減量期でマクロを計算しないのは珍しいですね
何よりとにかくストレスを溜めないように心がけているって言うのが大きいですね。
なので、数字で食事を管理することはないです。
朝起きた時のコンディションでいつも一日の食事をどうするかをざっくり考えていますね。
──食事を摂る際に気をつけていることはありますか?
減量中も増量中も腸内環境と糖質の代謝は意識してます。
腸内環境に関しては自分の場合はタンパク質の量が増えるとかなり悪化するので、タンパク質の種類や量を腸内環境と照らし合わせて考えますね。
それと糖質の代謝はとても大切なので、代謝に必要な栄養素をサプリメントでも補っています!!
──付き合いなどで外食をする場合に気をつけていることはありますか?
外食は前もって決まってる外食でないと基本的には行かないので、そのときは逆算してしっかり食べれる状態にして行きますね。
外食やお付き合いの当日は脚トレをすることが多いです(笑)。
消費カロリーが凄いので(笑)。
──お酒を飲む席ではいつもどうされていますか?
お酒は減量中は断固として飲まないですね。
これはもう周りの人に嫌われても仕方ないと思っています。
ですが、嫌われてもなんでも決して飲まないです(笑)。
──ではここからトレーニングのルーティンについて教えてください。何分割などありますか?
基本的には、
- 脚前
- 脚後
- 胸
- 肩
- 背中
- 腕&腹筋
この6分割で回しています。
OFFは体の疲労感と相談して入れますね。
曜日は全く固定していませんし、やりたいと思った部位をやる日もあります。
ただ背中と脚の日は近づけないようにはしてます。
──トレーニングのセットの組み方や重量&回数、インターバルやセット法についてこだわりとかはありますか?
トレーニングのセットはあまりドロップセットはせずにストレートセットで重量を下げないように意識してますね。
重量に関してもコンディションが良ければ1RMの更新を常に挑戦してます。
──トレーニングで最も大切にしていることはなんですか?
トレーニングで最も大切にしているのは下半身のトレーニングですね。
腕も肩も背中も自分の中では下半身がしっかりしていないと全てのトレーニングにおける土台の部分が安定しないので、この土台になる下半身はかなり重要だと思ってます。
方法とかではないですけど、下半身の強化はカテゴリー問わずある程度必須かなと。
──普段から飲んでいるサプリメントを教えてください。
サプリメントは、プロテイン、ビタミン、ミネラル、クレアチン、BCAAと極々普通ですよ。
──トレ前とトレ中とトレ後の食事とサプリメントは何を飲んでますか?
トレ前のプレワークアウトはほとんど飲まないですね。
食事に関しても自分の場合はそこまで時間なんかは気にしてないです。
とにかく空腹でのトレーニングにならないようにトレーニングの1時間前には必ずプロテインは飲んでます。
トレ中のイントラワークアウトは減量中はBCAA飲みます。
増量の際は割と水単体のことが多いですね!
トレーニング後の食事は、トレーニング後1時間くらいでプロテインを摂取します。
その1時間後くらいに固形物(高タンパク、高糖質)の食事をしっかり食べるように意識はしてます。
──体のコンディションを整えるために行っていることは何かございますか?
よく銭湯に行きますね。
また自分でもちろんセルフケアは欠かさずに行っていますよ。
身体硬いのも自分の弱点です。
──体のコンディションを整えることでどのような変化がありますか?
当たり前ですけど、コンディションを整えることでさらにいいトレーニングが行える身体の状態を作れますよね。
もちろん怪我の予防もありますよ。
──体のコンディションを整えることについてどのように考えていますか?
僕はたくさん怪我をしてそして休養して、、ここまでかなりの時間をかけて来たので、そうならないようにする上ではとても大切なものだと思っています。
怪我をしたらトレーニングの強度を保てないですし、それどころかトレーニング自体できなくなってしまう。
そうなると成長も遅くなりますしね。
最近、怪我はしたくないというのをとくに感じます。
──リフレッシュはどのようにされていますか?
リフレッシュはオフの日には出来るだけ筋トレのことを考えずに本を読んだり映画を見たりすることですね。
──リフレッシュは大切だと思いますか?
リフレッシュは必要だと思います。
特に大会後は身体の疲労感が強いので1週間から2週間くらいどこか予定のタイミングを見て休んだりしますね!
──現在の仕事は何ですか?
お仕事については自営業をさせていただいております。
人に関わるお仕事ですね。
──その仕事をする上で、大会に出ることにはどんな影響・効果ありますか?
大会と仕事は全く別として考えてます。
仕事に影響が出るくらいなら大会は出ないほうがいいとおもっていますし。
でも、周りの関わってくださる方が自分の身体の変化に気づいてくれるので元気をもらえますね。
たまに痩せた?とか細くなったねって言われることもありますが…(泣)。
──仕事に対する考え方などあれば教えてください
仕事に対してはトレーニングと同じで全力で真面目に謙虚に取り組む姿勢を忘れないようにしています。
──最後の質問です。今後の意気込みと目標、最終的にどんな存在になりたいのかを教えてください。
今後も着実に成長していき”IFBB PRO”になれるように頑張ります。
最終的にはまずは国内でクラシックフィジークを代表するような選手になりたいです。
「発信の内容は自分の考え方、トレーニングの内容や食事などなど、皆さんに刺激を与えるようなたくさん発信していますのでより多くのトレーニングやコンテストが好きな方と繋がれたらと思います!」山室修平選手)
https://www.instagram.com/prove_salt_shuhei/
コメントを残す