JBBFにはたくさんの大会があります。
しかもどこかで詳しく説明されているわけでもなので、どの大会がどんな位置づけなのかなどがとてもわかりづらくなっています。
ということで今回は、JBBFの大会の違いやランク、区分などを徹底的に解説します!
JBBFとは?
日本ボディビル・フィットネス連盟(JBBF)は、日本でボディビルやフィットネス競技を開催している大きな団体です。
1950年代に設立され、現在までボディビルやフィットネスの普及と選手の育成に尽力しています。
JBBFは全国各地で大会を開催していて、毎年たくさんの選手が参加しています。
その数は約5000人〜6000人。
他のボディビル団体と比べてもとても大きな団体となっており、「日本最大のボディビル団体の一つ」として知られています。
国内の大きなボディビル団体はJBBFのほかに、FWJ・ベストボディジャパン・サマースタイルアワード・NABBAなどがあります。
大会の種類
JBBFの大会にはたくさんの種類があります。
その中でも大会ごとにランク分けができるのでそこから見ていきましょう。
JBBF大会のランク分け
大会のランク※1 | おもな大会 | 出場条件 | 備考 |
最高選手権 | 日本選手権 グランドチャンピオンシップス |
上位大会で優勝or入賞 | 各カテゴリの日本一を決める大会 クラス分けはない |
上位選手権 | 日本クラス別、オールジャパン SPORTEC CUP など |
地方大会で優勝or入賞 | 国際大会の代表選考や各クラスの日本一を決める大会がある |
地方選手権 | 各都道府県選手権大会 地方選手権大会 など |
誰でもエントリー可 | オープン大会、 選手権大会の2つがある |
※1:大会ランクの名称は、当メディアが独自につけております。
このようにJBBFは大きく「最高選手権」「上位選手権」「地方選手権」と3つに分かれています。
大会最高位につけているのは日本一を決める大会である「日本選手権」と「グランドチャンピオンシップス」。
(日本選手権は「男子日本ボディビル選手権」や「女子日本フィジーク選手権」の2つの大会のことを指しています。)
そしてその下に上位選手権である「日本クラス別」や「オールジャパン」、そして一番下に各都道府県の選手権大会を中心にした地方選手権があります。
大会のランクはさらに詳細に分けられるので、後ほど詳しく説明しますね!
イメージは柔道のクラス分けやボクシングの階級分けと同じです!
各カテゴリごとに「身長別のクラス分け」なのか「体重別のクラス分け」なのかが違うので注意しましょう!
クラス分け区分 | カテゴリ名 |
体重分け | ボディビル |
身長分け | 女子フィジーク、メンズフィジーク、ビキニフィットネス等 |
年齢分け | ジュニア、マスターズ |
最高選手権
各カテゴリで日本一を決める、日本最高峰の大会が
- 日本選手権大会
- グランドチャンピオンシップス
の2つです。
この2つにはそれぞれちょっとした違いがあるので詳しく説明していきます。
1, 日本選手権大会
上でご紹介した通り、この大会は男子ボディビル部門の日本一を決める「男子日本ボディビル選手権」と女子フィジークの日本一を決める「女子日本フィジーク選手権」の2種類があります。
どちらも日本最高峰のボディビル大会となっていて、優勝すると「日本一のボディビルダー」「日本一のフィジーカー」の称号が手に入ります。
すべてのボディビルダーの憧れの舞台で、高校野球でいうところの甲子園のようなところです。
一般的には総称して「日本選手権」と呼ばれています。
・カテゴリ
男子ボディビル、女子フィジークの2つ。
日本選手権は日本で最も古くからあるこの2つのカテゴリのみを競います。
男子ボディビル、女子フィジーク以外のカテゴリはグランドチャンピオンシップスで競います。
・出場資格
日本選手権大会は、出場するためのハードルが高くなっています。
JBBF公式サイトにも掲載されている日本選手権の出場条件は以下の通り。
同年6位以内の選手 | 同年3位以内の選手 | 過去に以下の成績を収めた選手 |
日本クラス別 選手権 |
ブロックのクラス別選手権 | 日本マスターズ 選手権の優勝者 |
ジャパン・オープン 選手権 |
地方連盟選手権の一般の部 | ジャパン・オープン 選手権の優勝者 |
日本女子チャレンジ カップ選手権 |
日本ジュニア選手権 | 日本ボディビル選手権で12 位以内の入賞者 |
ブロック選手権及び 社会人選手権の一般の部 |
日本マスターズ選手権 | 東日本選手権・西日本選手権一般の部の優勝者 |
大阪選手権 一般の部 |
ブロック・社会人・地方連盟選手権の一般の部の優勝者 |
日本クラス別、ジャパンオープン選手権、日本女子チャレンジカップなどの大会はとてもレベルが高くなっていて、どれも上位選手権に位置付けられていま。
こちらについても後ほどご紹介しましょう。
2, グランドチャンピオンシップス
この大会は男子フィジーク部門、女子ボディフィットネス部門、女子ビキニフィットネス部門の日本一を決める大会となっています。
通称は「グラチャン」。
優勝すると「日本一」の称号が手に入ります。
さらに優勝者は世界選手権の代表、3位以内の選手はアジア選手権の代表になり、各大会への出場権を得ることができます。
・カテゴリ
男子フィジーク、女子ボディフィットネス、女子ビキニフィットネスの3つ。
JBBFの大きなカテゴリであるこの3つの日本一を競います。
この3つのカテゴリは比較的最近できたカテゴリなので、伝統ある日本選手権とは分けて開催されています。
・出場資格
グランドチャンピオンシップスも、出場するためのハードルが高いです。
JBBF公式サイトにも掲載されているグランドチャンピオンシップスの出場条件は以下の通り。
同年各クラス3位以内の選手 | 同年3位以内の選手 |
オールジャパン | SPORTEC CUP |
オールジャパン ジュニア | ジャパンオープン |
オールジャパン マスターズ |
どれも上位選手権に位置付けられている大会でレベルが高いので出場するのはとても難しくなっています。
上位選手権大会
ここから、上位選手権大会をご紹介します。
おもな大会としては以下の通り。
- 日本クラス別選手権大会
- オールジャパン
- SPORTEC CUP
- 日本ジュニア男子ボディビル選手権
- 日本マスターズ選手権
- ジャパンオープン選手権大会
この中の一部は、日本一を決める大会や国際大会への出場者を決める大会もあるのでチェックしておいてください。
それでは詳しく説明していきましょう!
1, 日本クラス別選手権大会
この大会には「日本クラス別男子ボディビル選手権大会」と「日本クラス別女子フィジーク選手権大会」があり、各クラスの日本一を決める大会となっています。
上位選手権ではありますが、クラス別に分けられている大会の中では最高位と言えるでしょう。
日本クラス別の男子ボディビルは、55kg 以下級、60kg 以下級、65kg 以下級、70kg 以下級、75kg 以下級、80kg 以下級、85kg 以下級、90kg 以下級、90kg超級の9クラス。
女子フィジークは、158㎝以下級、163㎝以下級、163㎝超級の3クラスに分かれています。
・出場条件
日本クラス別の出場条件もハードルが高めになっています。
詳しい出場条件は以下の通りです。
過去6位以内の選手 | 過去3位以内の選手 | 過去12位以内の選手 |
日本クラス別選手権 各クラス |
地方連盟選手権 一般の部 |
日本ボディビル選手権 |
ジャパン・オープン 選手権 |
地方連盟体重別 選手権一般の部 |
|
日本ジュニア及び マスターズ選手権 |
||
日本女子チャレンジ カップ選手権 |
||
ブロック・社会人大阪 選手権の一般の部 |
||
各ブロック体重別 選手権 |
見てわかるとおり、日本選手権とかなり出場条件が似ています。
大きな違いとしては、日本選手権は同年に高い結果を残した選手しか出場できないのに対し、クラス別は過去に高い成績を残した選手であれば出場できるという点。
そのため、クラス別選手権は必然的に出場人数が多くなります。
2, オールジャパン
オールジャパンにはメンズフィジーク、ビキニフィットネス、ボディフィットネスがあり、この3つのカテゴリの”各クラス日本一を決める大会”となっています。
上位選手権ではありますが日本クラス別と同様、「クラス別に分けられている大会の中で最高位」となります。
・出場条件
オールジャパンの出場条件は以下の通りです。
昨年〜今年で以下の成績を収めた選手 | 昨年以下の成績を収めた選手 |
ブロック選手権※21〜6位 | オールジャパン身長別1〜12位 |
地方選手権大会1〜3位 | オールジャパン年齢別1〜12位 |
オープン大会1位 |
※2:東日本/西日本/東北・北海道/関東/東京/北陸・甲信越/東海/関西/中国・四国/九州・沖縄の10つの大会のこと。
このように、オールジャパンは各大会で高い成績を出さないと出場することができません。
そのためレベルはやはり高いです。
そしてオールジャパンは過去にどんなに良い成績を残していても、1年以内で高い成績が出ていなければ出場することができません。
これは日本クラス別との大きな違いとなっています。
ブロック選手権は各都道府県ごとの大会とは違い、それぞれのブロックで1回ずつ行われる大会です。
各都道府県が開催する地方選手権よりも数が少なく、オールジャパンへの出場枠も多いので比較的レベルは高めとなっています
3, SPORTEC CUP
スポルテックカップは毎年SPORTECが開催されるときに行われる大会です。
カテゴリは、ボディフィットネス・ビキニフィットネス・メンズフィジークの3つがあり、優勝者は「アーノルドクラシック」という国際大会の代表になることができます。
・出場条件
スポルテックカップの出場条件は以下の通りです。
昨年〜今年で以下の成績を収めた選手 | 前年以下の成績を収めた選手 |
ブロック選手権1〜6位 | 世界選手権 各クラス1〜12位 |
SPORTEC CUP 各カテゴリー 1~6 位 | |
オールジャパン 各クラス1〜12位 | |
ジャパンオープン選手権大会 1〜12位 |
スポルテックカップに出場するためのハードルは、オールジャパンよりも高くなっています。
前年に高い成績を残しているか、ブロック選手権の1〜3位までしか出場することができません。
地方選手権大会で優勝するだけでは出場できないので、選手のレベルはとても高くなっています。
スポルテックカップがここまでレベルが高いのは、スポルテックに来場した人が見た時に「カッコ良いな」と思ってもらえるようにするためというのも大きな理由となっています。
出場条件がなにもないと体が仕上がっていない選手も出れてしまうので、出場条件を設けてレベルの高い大会を見てもらおうという狙いがあります。
4, 日本ジュニア男子ボディビル選手権
日本ジュニア男子ボディビル選手権は日本の学生を中心としたジュニアの日本一を決める大会となっています。
ここで優勝すると学生日本一の称号がもらえ、日本代表としてアジア・世界選手権に出場することができます。
そして日本選手権と日本クラス別選手権に出場できるようにもなるのでさらに上を目指せる大会にもなっています。
70kg以下級と70kg超級の2クラスに分かれています。
最後には各クラスの優勝者同士で優勝を争う、オーバーオール審査があります。
・出場条件
日本ジュニア男子ボディビル選手権の出場条件は以下の通りです。
現在以下に当てはまる選手 | その他 |
15〜23歳の男子選手 | 過去に優秀な成績を収めた選手※3 |
JBBF指定のクラブで選手登録 |
※3:所属都道府県連盟からの推薦書が必要です。
他の大会に比べると出場するための条件はやや低め。
基本的には15〜23歳であれば誰でもエントリーできる大会となっています。
ですが、出場人数も多いのでレベルはとても高いです。
5, 日本マスターズ選手権
日本マスターズ選手権は40歳以上の選手だけが出場でき、年齢別の日本一を決める大会となっています。
各年代の日本一を決める大会とあってレベルはかなり高いです。
男子は40歳以上級、50歳以上級、60歳以上級、65歳以上級、70歳以上級、75歳以上級、80歳以上級の7クラスで、
女子は40歳以上級、50歳以上級、60歳以上級の3クラスとなっています。
・出場条件
日本マスターズ選手権の出場条件は以下の通りとなっています。
過去に以下の成績を収めた選手 | その他 |
日本男子ボディビル・女子フィジーク 選手権大会 1 位~12 位 |
過去に優秀な成績を収めた選手※4 |
日本連盟主催 男子ボディビル 女子フィジーク選手権大会 1 位~6位 |
JBBF指定のクラブで選手登録 |
日本マスターズ選手権大会 ブロックマスターズ選手権大会 1〜6位 |
|
各都道府県連盟 マスターズ選手権大会 1〜3位 |
※4:推薦書の提出が必要です。
このように日本マスターズに出場するには過去に高い成績を残していることが必要です。
そのためこの大会に出場する選手はみんなとてもかっこ良い体をしています。
6, ジャパンオープン選手権大会
ジャパンオープンは誰でもエントリー可能な大会となっています。
ただし、上位に入れば最高選手権まで一気に参戦できるようになるとあって参加人数がとても多いです。
毎年50人近い人がエントリーしており、レベルもかなり高くなっています。
・出場条件
ジャパンオープンの出場条件はこのようになっています。
男子ボディビル・女子フィジーク | その他 |
ジャパンオープン選手権大会の 優勝経験がない選手 |
オールジャパンの優勝経験がない選手 |
日本男子ボディビル・女子フィジーク 選手権大会の優勝経験がない選手 |
このようにジャパンオープンにはある一定以上の成績を残している選手は出れない仕組みとなっています。
そのためこの大会はフレッシュな顔ぶれが多いのが特徴です。
地方選手権
ではここから地方選手権についてご紹介します!
地方選手権は大きく分けると以下の3つになります。
- ブロック選手権
- 地方選手権大会
- オープン大会
この3つはそれぞれ選手のレベルや上位大会へ行ける人数などが違うので詳しく説明していきます。
それでは見ていきましょう!
1, ブロック選手権
ブロック選手権では、上位1〜6位までの選手が上位選手権への切符を手にすることができます。
これは他の2つの大会よりも多いので、レベルの高い選手がたくさん集まります。
実際、ブロック選手権の優勝者と他の大会の優勝者の体を比べてみても、ブロック選手権の優勝者の方がすごい体を持っていることがほとんどです。
・出場条件
ブロック選手権は、JBBFが指定したクラブに入会し選手登録をする必要があります。
JBBFが指定するクラブにはゴールドジムなどがあります。
・おもな大会
ブロック選手権には以下の大会が存在します。
- 東日本選手権
- 西日本選手権
- 東北・北海道選手権
- 関東選手権
- 東京選手権
- 北陸・甲信越選手権
- 東海選手権
- 関西選手権
- 中国・四国選手権
- 九州・沖縄選手権
2, 地方選手権大会
地方選手権は、1〜3位に入賞した選手が上位選手権に進出することができる大会です。
ブロック選手権に比べると参加人数が少なく、レベルもやや低めになっています。
ですがとんでもない体を持っている選手も出ているのでここで優勝するのはとても難しいです。
・出場条件
地方選手権大会に出場するにはJBBFが指定したクラブに入会し選手登録をする必要があります。
また、大会によってはその地域に在住もしくは勤務していないと出場できないこともあります。
・おもな大会
地方選手権には各都道府県連盟(JBBFの地方支部連盟)の選手権大会があります。
以下の大会は地方選手権の一例になります。
- 沖縄県ボディビル・フィットネス選手権大会
- 兵庫県ボディビル・フィットネス選手権大会
- 大阪ボディビル選手権大会
- 愛知県フィットネス選手権大会
- 北海道ボディビル・フィットネス選手権大会 etc…
地方によっては「中国ボディビル・フィットネス選手権大会」「秋田 岩手 青森県ボディビル選手権大会」などエリアでまとめられていることもあります。
3, オープン大会
オープン大会は誰でも出場できる大会として位置づけられています。
上位選手権に行ける人数も優勝者1人のみとなっているので、大会のレベル自体はそこまで高くありません。
初心者が出場する最初の大会としてとても良いでしょう。
・出場条件
オープン大会の出場条件はこちら!
以下に当てはまる選手 | その他 |
同年度に別のオープン大会において 優勝していない選手 |
JBBF指定のクラブで選手登録 |
日本連盟主催大会(上位大会)において 過去2年以内に優勝していない選手 |
オープン大会出場登録 |
このようになっています。
オープン大会はあくまでも”初心者”や”これからボディビルディングを始めたい人”向けのステップアップの場としてあるので、ベテランやすでに高い成績を残している選手は出れないような仕組みになっています。
まとめ
ということで今回は、JBBFの大会の詳細についてご紹介してきました。
JBBFは日本でもっとも伝統あるボディビル団体で格式も高いです。
ドーピング検査などもとても厳しく、選手がフェアに競技できることに対してとても熱心に取り組んでいる団体でもあります。
なのでもし興味がある人は、ぜひ一度ボディビル大会を見に行ってみてください!
出典・引用:JBBF
文・編集:月刊 MEN’s PHYSIQUE 編集部 (@gekkan_mensphysique)
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