今回は気になっている人の多い「ステロイドユーザーの見分け方」をご紹介する。
肩周りや太ももの筋肉が異常に発達している
ステロイドは肩周りに作用するため、僧帽筋、三角筋、大胸筋、大腿四頭筋などが異常に発達する。
とくに胸周りとふもも周りはとても分厚くなり、まるでゴリラのような見た目になる。
写真で見てみよう。
左がナチュラル(ステロイドを使っていない人)最高峰の選手である横川尚隆で、右がステロイドユーザーのハディチューパン。
比べてみるとわかるが、左の選手に比べると右の選手の方が全体的に肉厚でどデカい。
もはや、恐ろしさすらある。
なかでも広背筋(背中の筋肉)と上腕三頭筋(二の腕の筋肉)、三角筋(肩の筋肉)、大腿四頭筋は一眼でわかるほどに大きさが違う。
この画像を見てわかると思うが、広背筋は明らかにサイズが違う。
あとから付け足したかのような筋肉のつき方をしていて、異常なまでに発達している。
上腕三頭筋もまったく違う。
ステロイドユーザーの方は上腕三頭筋が発達しすぎて腕が短くみえてしまうほどだ。
三角筋は少しわかりづらいが、よく見てみるとステロイドユーザーの選手の方がより大きく隆起していて目立っている。
大腿四頭筋に関しては見てすぐわかるくらいに差があり、一回り以上も大きくなっている。
また、腹筋の部分を少し注視してみるとステロイドユーザーの方が明らかに分厚い。
これもステロイドの副作用として大きいだろう。
この写真を見て「ステロイドを使っていない方の選手の筋肉が小さいだけじゃないか」と思ったかもしれないが、そんなことはまったくない。
この写真に写っている横川選手はナチュラル選手が行き着くことができる最高到達点と言われており、ナチュラル選手で彼よりも大きい選手はほとんどいない。
そのため、この写真で見る筋肉量の差こそが、ナチュラルとユーザーの差なのだ。
ニキビや肌荒れが多い
ステロイドを使っている人はニキビや肌荒れが多くなっている。
これは、ステロイドによって男性ホルモンが多くなりすぎてしまうことが大きな原因。
ホルモンバランスが崩れ、肌が脂ギッシュになりどんどんと荒れていく。
異様にニキビが多かったり、肌の調子が悪い人がいたら、ステロイドユーザーである可能性があるかもしれない。
スキンケアなどである程度は良くできるが、透き通るような綺麗な肌になることは難しいだろう。
人によってはゾンビのようになってしまう人もいる。
血管が出過ぎている
血管が出過ぎるのもステロイドの特徴。
もともと血管(とくに静脈)というのは、筋肉の上についていることが多いので、体脂肪を減らして筋肉を増やせば増やすほど浮き上がってくる。
だからマッチョには血管が浮き上がっている人が多いのだが、ナチュラルであればそこまで激しく血管が走ることがない。
しかし、ステロイドユーザーは違う。
ステロイドを使うと血管が太くなるため、血管がかなり出るようになるのだ。
明らかに血管が出過ぎているようならステロイドを使っている可能性があるかもしれない。
ガイノ(ガイノコマスチア)が起きている
ステロイドは言ってしまえば男性ホルモン。
そのため、摂取すると体内の男性ホルモンの量が大きく増えることになる。
すると体はホルモンバランスを整えようとして大量に増えた男性ホルモンと同じくらいの女性ホルモンを生成する。
その結果、女性ホルモンが増えすぎて体が女性化し始めるのだ。
厳密に言うと、男性ホルモンが急激に増えることで体内にあるアロマターゼという酵素の働きが活発になり、男性ホルモンが女性ホルモン(エストロゲン)に変換されるようになる。
この女性化は全身に現れるのだが、中でもわかりやすいのが「ガイノコマスチア(女性化乳房)」だ。
症状としては乳房が女性のように大きく、そして太くなるというもの。
ステロイドユーザーの体を見てみると、乳首が女性のように太くなっていることがとても多い。
とくに乳首が立っているような見た目をしていた場合は、ほぼ間違いなく「ガイノが出ている」と考えて良いだろう。
ガイノは治らない
ガイノは一度出てしまうと、ステロイドをやめても元には戻らないと言われている。
元の見た目に戻すためには、乳房を直接切除する外科手術が必要になるためとても大変なのだ。
手術をしても傷跡がすこし残るため、完全に元通りとはいかない。
一度使ったら一生もとには戻らないのだ。
顔がふくらんでいる
ステロイドユーザーは顔が大きくなる傾向がある。
これはステロイドの影響で表情筋までもが発達してしまうからだ。
そもそもステロイドは体の中の筋肉全てに働きかける。
顔も例外ではない。
本来、顔の表情筋は大きく負荷がかかる部分ではない。
顔の皮膚や脂肪を持ち上げたりする程度のものであり、他の腕や脚や胸周りの筋肉に比べればほとんどないに等しいくらいだ。
しかしステロイドを使うと、そのほとんどないに等しい負荷でも筋肉が肥大し出すのである。
そして、顔が大きくなる。
もちろん、顔がどのくらい大きくなるのかは個人差があるし、ステロイドの使い方などによっても変わってくるため、一見わからない人も多い。
ただし、使用量が多い選手はほぼ間違いなく顔は大きくなっているため、一目見ただけでわかるだろう。
情緒が不安定
ステロイドを使用するとホルモンバランスが崩れるため、情緒が不安定になり感情が剥き出しになる「ロイドレイジ」という現象が起こる。
例えるならば、女性が生理の時に不安定になるのに似ている。
前は温厚だった性格の人がステロイドを使用することで怒りっぽくなってしまったり、感情を表に出さなかった人が感情的になったりする。
そのほかにも”ヒステリック”になってしまったり、”承認欲求”が高まってしまったり、”自尊心”が低くなってしまうことも多い。
また、強い言葉を使うようになるケースも多く人間関係が悪化することもある。
実際、ステロイドユーザーのSNSや大会の会見などを見てみると、自信過剰な発言をしていたり強い言葉を使っていることが多いが、これは心に余裕がなくメンタルが安定しないことからくる、裏返しの発言と取れるだろう。
さまざまな研究で、心の余裕と言葉遣いの丁寧さは比例すると実証されている。
老けている
ステロイドを使用すると一気に老ける。
肌がより脂ギッシュになることで荒れることも大きいが、それ以上に皮膚の弾力性がなくなることで肌のハリがなくなり、それが老けて見えてしまう原因となる。
薄毛や円形脱毛症になる人も?
ステロイドを使用することで増えるテストステロンは、体内でDHT(ジヒドロテストステロン)という強力な男性ホルモンに変換される。
DHTは抜け毛や脱毛症の原因となるホルモンで、とくに男性型脱毛症(AGA)の進行に強く関与している。
そのため、アナボリックステロイドの使用で体内のテストステロンレベルが上昇しすぎると、それがDHTに変換される量も増え、結果として毛包が縮んで髪の成長が抑制される可能性があるのだ。
ステロイドをやめると体は細くなる!?
ステロイドの使用をやめても一定の期間はあまり筋肉が小さくならない。
しかし、一定の期間が過ぎると体が一気に細くなる。
しかも、体がステロイドに頼りきっていた分、人間本来の「男性ホルモンを生成する機能」が落ち、ステロイドを使う前以上に筋肉が減る可能性もある。
もちろんステロイドを使用してまだ日が浅ければ大した問題はないが、年単位で使っている人の場合は筋肉が大きく減ることになるだろう。
この「筋肉が減るかもしれない」という不安がステロイドをやめられなくなる大きな要因となってしまうのだ。
ステロイドの使用量が少なかったり、使っていた期間が短かった人は筋肉があまり減らない。
しかし、その後筋肉がつきづらくなる可能性がある。(男性ホルモンの生成機能が落ちるため)
俳優の役作りにも使われている?
一説では、俳優の役作りにも使われていると言われている。
とくにハリウッドなどでは、数ヶ月の間にゴリゴリのマッチョに変身しなくてはいけないスケジュールがあったりするため、どうしてもステロイドに頼らなくてはいけない場面が出てくるようだ。
実際、ガリガリだった俳優が数ヶ月後にはガタイの良いマッチョに変貌していることもある。
もちろん全員が使っているわけではないが、ステロイドを使用している俳優も中にはいるだろう。
ステロイドユーザーかどうかは見分けがつく
今回紹介したようなところに着目すると、ステロイドユーザーかどうかは見分けることができる。
しかし、ステロイドを使っていてもユーザーの特徴があまり現れない人もいるため、必ずとは言い切れない。
とはいえ、ステロイド使用前とステロイド使用後を比べることができれば、その変化ですぐに見分けることができるだろう。
また、ステロイドは法律で禁止されているわけではないため、使用すること自体は個人の自由だ。
ドラックについて、とくに定めのないコンテストなら出ても問題なく出場できる。
そのため使用すること自体が悪ということはまったくないが、使う時は今後のことなどをしっかりと考えた上で使用してほしい。
文・編集:月刊 MEN’s PHYSIQUE 編集部 (@gekkan_mensphysique)
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