減量中は低血糖症とつねに隣り合わせだ。
いつ低血糖になってめまいがきたり気持ち悪くなってもおかしくはない。
ということで今回は減量期に低血糖症にならない方法を紹介しよう!
低血糖症とは?
低血糖症は、血糖値が異常に低くなる状態のことをいう。
低血糖症になるとふるえや動悸、冷や汗やめまいなど、さまざまな症状が出る。
最悪の場合、死に至ることもあるため減量期にはとくに注意が必要だ。
低血糖になる原因
減量期に低血糖症になってしまうのにはいくつか理由がある。
おもな原因としては以下の4つだ。
- カロリー摂取量の低下
- グルコース生成の効率低下
- インスリンが出すぎる
- 活動量の増加によるエネルギー不足
カロリー摂取量の低下
減量期ではカロリー摂取量が大幅に減るため、糖が不足し血糖値が下がる可能性がある。
グルコース生成の効率低下
カロリーが低下すると、体はエネルギーを確保するために肝臓でのグルコース(糖)の生成が活発になる。
しかしこれが長期的に続くとだんだんとグルコースを作る効率が落ち、血糖値が下がることに繋がる。
インスリンが出すぎる
減量や食事制限をするとインスリン感受性が異常に高くなることがある。
こうなるとインスリンが出すぎて血糖値が急激に下がり、低血糖につながることになる。
活動量の増加によるエネルギー不足
減量期には運動量が増えることが多いが、カロリーの摂取量は少なくなるため、運動によって消耗したエネルギーを補うことが難しくなる。
その結果血糖値が下がり、低血糖症になってしまうのだ。
低血糖症にならないための方法
では、低血糖症にならないためにはどのようなことをすれば良いのか。
大きく以下の2つがある。
- 体重をゆっくり落とす
- 炭水化物の適切な摂取
詳しくみていこう。
1. 体重をゆっくり落とす
はやく体重を落とそうとするのは、「血糖値が不安定になる原因」となる。
そのため、なるべくゆっくり体重を減らしていくのが良いだろう。
一般的には1ヶ月に体重の5%を落とすが安全とされている。
このペースなら栄養素の摂取バランスが崩れにくく、低血糖症のリスクも低いからだ。
しかしそんなにゆっくり減量していられない人もいるだろう。
そんな人は、これから紹介する2つ目以降の方法を試してみてほしい。
2. 低GIの食品を食べる
減量中は炭水化物を完全になくすのではなく、低GIの炭水化物を摂取することで血糖値のレベルを安定させることができる。
とくにオートミールや全粒穀物、野菜などは糖質の吸収を遅らせ、血糖値が急激に上がるのを防いでくれるからおすすめだ。
そのほかにも、白米を玄米に変える、うどんをそばに変えるなど、簡単にできることは多い。
これだけでも血糖値は安定するようになるからやってみるのは良いだろう。
食物繊維を摂るのもアリ
白米やうどん、和菓子などは食べていたいという人は、食物繊維を摂るようにするのもアリだ。
野菜を多めに摂るようにしたり、きのこや海藻を摂るようにするのもアリだろう。
そういうのが好きではない人は「サプリメント」で摂るのも良い。
サプリメントなら簡単に摂取できて効果も高いから、より効率を求めるのならオススメだ。
3. 運動前後の栄養補給
トレーニングをする前後に、炭水化物とタンパク質の多い食事やスナックを摂ることで、血糖値の急激な変動を防ぐことができる。
そのため、低血糖症になるリスクが下がるのだ。
さらに、パフォーマンスの向上とリカバリーという観点でも非常に重要である。
トレ前とトレ中、トレ後で摂るべるものが変わるため以下のことを参考にしてみてほしい。
運動前
トレーニングの1~2時間前には、軽い食事またはプレワークアウトを取るのが一般的だ。
内容は炭水化物とタンパク質を中心にして、ビタミンやミネラル、良質な脂質を摂ると良い。
だが、重すぎる食事になってしまうと消化に時間がかかり、筋トレのパフォーマンスが下がってしまうため注意が必要だ。
トレーニングまで1〜2時間ある場合…
炭水化物:白米
タンパク質:鶏むね肉や赤身肉などの脂肪分の少ない肉、もしくはマグロやサーモンなどの魚類
脂質:ナッツ類やフィッシュオイル、
ビタミン:野菜、サプリメント
その他:カフェイン
トレーニングまで1時間もない場合…
炭水化物:マルトデキストリン、フルーツジュース、
タンパク質:プロテイン
脂質:フィッシュオイル、その他サプリメント
ビタミン:サプリメント
その他:カフェイン
運動中
運動中は糖質が不足して低血糖になる可能性も高いため、こまめに糖質を補給することが大切だ。
1回のトレーニングで、だいたい20〜30gほどを目安に摂れると良いだろう。
The ただ、トレ中に固形物を取ってしまうと消化にエネルギーを持っていかれ、筋トレのパフォーマンスが落ちるから、カーボパウダーを活用しよう。
おすすめのカーボパウダー
ただし、カーボパウダーは吸収が速く血糖値も上がりやすい。
そのため、血糖値の上がりにくいカーボパウダーを使用しよう!
当サイトがおすすめする血糖値が上がりにくいカーボパウダーは「カーボリン」だ。
低血糖症に悩まされている人はぜひ一度使ってみてほしい。
トレ後
トレ後は30分以内に糖質を摂れると低血糖症のリスクも下がり、筋肉もつきやすくなる。
基本的にはカーボパウダーを溶かしたプロテインを飲むのが良いが、白米などの炭水化物を食べるのもアリだろうを
量としては体重×0.6〜1.0gほど摂れるとベストだ。
4. 食事をさらに小分けにする
減量に慣れている人なら、すでに食事を5〜6回に分けているかもしれないが、低血糖症を予防するならさらに細かく分けても良いだろう。
血糖値の安定
血糖値というのは空腹の時間が長く、食べる量が多いほど不安定になる。
だから今よりも食事の回数を増やし1回の量を減らすことで今よりも低血糖になりづらくなるだろう。
インスリン感受性
食事を小分けにすることで、インスリンの分泌も少なくかつ頻繁になり、インスリン感受性が良くなることがある。
これにより低血糖症の発生が抑制できる。
量と回数
基本的には、2〜4時間ごとにPFCバランスの良い食事を摂るのがベスト。
糖質は摂りすぎず、1食で体重×0.5〜0.7g程度にしておくのが良いだろう。
5. 水分と電解質の補給
そのため、十分な水分と電解質(ナトリウムとカリウム)を摂ることが重要だ。
とくに減量期においては電解質(ナトリウムとカリウム)が低血糖を改善するためにとても大事になってくる。
水分と電解質(ナトリウムとカリウム)が低血糖の改善に有効な理由をいくつか紹介しよう。
水分の役割
水分補給をすると、血液の粘り気がなくなり心臓から全身への血液の流れがスムーズになる。
さらに、全身の新陳代謝もスムーズになるから血糖値が安定し、低血糖症の予防になるのだ。
電解質の役割
電解質(主にナトリウム、カリウム、マグネシウム)は、細胞膜のはたらきを安定させる役割がある。
これによりインスリンと細胞の作用が良くなり、糖の取り込みが効率的に行われるようになるため、血糖値が一定化する。
とくにマグネシウムは、インスリンの感受性を改善させるということが研究で明らかになっているため、血糖値の急激な変動を防ぐこともできるだろう。
インスリンの感受性というのは、インスリンの感度(出やすさ)のようなもの。
この感受性が悪いとインスリンがあまり出なったり、急にたくさん出るようになったりして血糖値が不安定になりやすいから、感受性が良いかどうかはとても重要なのだ。
6. 休息とリカバリー
十分な睡眠を取ること、そしてストレスを減らすことは血糖レベルを安定させるためにはとても重要。
その理由は以下のようになっている。
ストレスホルモンの低減
適切な休息とリカバリーはストレスホルモン(特にコルチゾール)の分泌が抑制させる。
ストレスホルモンは血糖値を上げる作用があるため、休息やリカバリーをすることでストレスホルモンの分泌を抑え、血糖値が不安定になったり低血糖に陥ったりするのを防ぐことができるのだ。
インスリン感受性の改善
睡眠や適切な休息は、インスリン感受性を改善させると言われている。
上で説明した通り、インスリン感受性が高まると、少ないインスリンでより効率的に糖が細胞内に取り込まれるため血糖値が安定するのだ。
代謝の安定
良い休養は代謝を安定させ、運動後の血糖値の急激な変化を緩和させることができる。
これによって低血糖の発生リスクを低下させることができるのだ。
免疫系の調整
適切な休息を摂ると免疫系を高め、細胞の炎症反応を抑えることができる。
炎症はインスリンの感受性を悪くすることがあり、間接的に血糖管理に影響を与えるため、休養が低血糖を抑えることにもつながるのだ。
精神的安定
疲れやストレスは暴飲暴食や食欲不振に加え、筋トレのモチベーションを低下させることがある。
そのため、休養をしっかり取ることができればより健康的になり、血糖値の管理もできるようになる。
まとめ
低血糖症は多くの場合、予防が可能だ。
上記のようなことをやってもらい、血糖値が安定する生活を心がけよう。
何らかの症状や不安がある場合は、必ず医療専門家と相談して欲しい。
文・編集:月刊 MEN’s PHYSIQUE 編集部 (@gekkan_mensphysique)
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