【IFBB】フィジークに体重制限が導入!今後の審査はどう変わる?

「これは今年(2023年)のオリンピアの後、最初のショーから適用される」

 

メンズフィジークは、2023年に大きな変化が起こります。

NPC News OnlineのYouTubeビデオで、NPC & IFBBプロフェッショナルリーグ副会長のタイラー・マニオンが2023年のミスター・オリンピアの後のプロ大会から適用される「メンズフィジークの体重制限」について発表しました。

 

メンズフィジークの歴史

メンズフィジークカテゴリーは約10年前に生まれました。

2013年「マーク・アンソニー・ウィングソン」が初代メンズフィジークオリンピアチャンピオンとなり、翌年から”フィジークの伝説”「ジェレミーブエンディア」が4連覇。
その後も「ブランドンヘンドリクソン」「レイモントエドモンズ」「エリンバンクス」「ライアンテリー」などが優勝を勝ち取り数多くのスター選手が誕生しました。

ですがメンズフィジークは、毎年カラダのサイズが大きくなっていった結果、現在では「ボードショーツを履いたボディビル」と称されるようになってしまいました

新設された当初の『スポーティでバランスの良い健康的な体』は見る影もないほどです。

そこでIFBBプロリーグは、新しく体重制限を導入することを決定しました。



メンズフィジークの体重制限導入を発表

タイラーはYoutubeで以下のように述べました。

「この動画は2023年のオリンピアの後からメンズフィジークプロに対して身長と体重の制限を導入することを、すべての選手やコーチに事前に知らせるために撮っています。この体重制限のルールは、今年のオリンピアが終わった後の2024年シーズンの最初の大会から適用されます。」

そして、メンズフィジークに体重制限が設けられる理由を以下のように述べています。

「なぜこれを行うのか?クラシックフィジークでの身長と体重制限が大成功を収めたため、メンズフィジークの選手が大きくなりすぎないようにしたいからです。
これはとても重要で、オンラインでショーの写真を見た人々が、メンズフィジークの選手が大きくなりすぎていると言うことがよくあります。

私はそうは思いませんが、最近の試合でうまくいっている多くの選手が大きくなりすぎているわけではありませんが、これらの選手に対して身長と体重の制限を設けることで、そのサイズをコントロールするのに役立ちます。

そして、皆さんが知っておくべきことは、あなたの身長に対する体重制限が、クラシックフィジークの体重制限よりも低くなることです。
だから、もしあなたが現在、クラシックフィジークの体重制限よりも多く、または少しでも多くの体重を持っているなら、体重を確認し、必要であれば、少しダウンサイジングを始めるべきです。」

そしてタイラーはこの体重制限の導入で有利な選手や不利な選手が出ないように、すべての大会で身長と体重を記録してきたと話しました。

「今年のほとんどの大会で、メンズフィジークプロの選手たちの身長と体重を測定し続けてデータを収集してきたので最終的な体重を設定するのに役立てていこうと思っています。」



具体的にどのくらいの体重になるの?

では実際に体重制限はどのくらいになるのでしょうか。

こちらその実際の数値になります。

162.6cm以下の人なら75.7kgまで、165.1cm以下の人なら78.0kgまで…と言うように、各身長別にMAX体重が指定されています。

クラシックフィジークと比べると、ちょうど「ー10lbs(ー4.5kg)」になります。

 

体重制限が選手に与える影響

この新しい体重制限により、選手たちは食事やトレーニングを見直す必要が出てくるでしょう。

もしかしたら、脚の筋肉を減らして上半身だけを大きくしようとする選手も出てくるかもしれませんが、IFBBは「あまりにもバランスが悪い体型は評価しない」と明言しています。

そのため、選手たちは限られた体重制限の中でバランスを考えてトレーニングしなくてはいけません。

また、体重制限内に収めるためには食事も気をつける必要があります。

とくに大会前に過酷な減量を強いられることもあるため、体の負担も考えなくてはいけません。

この体重制限により、不慮の事故が増えないことを願うばかりです。

POINT

ほとんどのプロ選手はこの範囲に収まっていますが、「ブランドンヘンドリクソン」や「ジェレミーブエンディア」といった筋肉量の多い選手はこの体重制限をオーバーしているため、今後クラシックフィジークに転向する人も出てきそうです。



フィジークってどんな体が良いの?

タイラー・マニオンによれば、「エマニュエル・ハンター」「コーリー・モリス」「ライアン・テリー」「ベンクイル・マリニー」「シディ・プエ」が、メンズフィジークの目指す方向性を体現しているといいます。

POINT

メンズフィジークで求められる体をしている選手を実名で指名しました!

 

エマニュエル・ハンター

タイラーが最初に挙げたのは、2023年メンフィスプロの優勝者であるエマニュエル・ハンター。

「エマニュエル(エマニュエル・ハンター)はテネシーでの大会で優勝、しおそらく彼がこれまでで最も良い仕上がりを見せましたが、彼は素晴らしいメンズフィジークのルックスを持っています。
彼の腕と肩は胴体とよく調和しており、背中も素晴らしいです。
彼の上胸部をもう少し上げて、胸全体とバランスを取る必要がありますが、基本的には彼はコンディショニングを完璧に仕上げることが必要です。
彼にはそれらを改善する必要がありますが、メンズフィジークの指針となるルックスとして非常に注目すべき選手です。」



コーリー・モリス

モリスは最近、ジム・マニオンの2023年ピッツバーグプロでメンズフィジーククラスで優勝しました。

「コーリー・モリス。コーリーはここ数年で体をを大幅に改善しました。彼の胴体には何も変更する必要はありません。
彼は小さなウエストを持ち、胸が豊かで背中もかなり広がっています。
ですが彼が長年受けてきたフィードバック、そして今もなお彼が受けているフィードバックは、彼の腕と肩がメンズフィジークに適しているようにもう少し縮小する必要があるということです。」

 

ライアン・テリー

さらに、タイラーは2023年にオリンピアで優勝したライアン・テリーの名前を挙げました。

「彼(ライアン・テリー)は常に素晴らしいメンズフィジークの肉体を持っており、非常にバランスの取れたフィジークで、まさに私たちが求めているものです。
彼はまだ背中にもう少し厚みを加える必要があり、背中が前面と同じようにポップするようにする必要があります。」



ベンクイル・マリニー

マリニーもタイラーが良い身体として強く推したもう一つのフィジーク選手です。

「ピッツバーグで、ベンクイルは今年多くの大会に参加し、彼は優勝し、オリンピアへの出場権を獲得しました。彼はメンズフィジークのルックにふさわしい素晴らしい外見を持っています。彼にはまだもう少し胸を増やし、背中にもっとポップを与える必要がありますが、それは彼がコンディショニングをさらに高めるときに来るでしょう。」

 

シディ・プエ

シディ・プエの体もテイラーは高く評価しました。
彼はエンプロで優勝を獲得するなど、近年進化がとても目覚ましい選手です。

「シディもメンズフィジークにふさわしい素晴らしい肉体を持っている選手で、素晴らしいコンディショニングを有しています。
彼にとって修正すべき主な要素はポージングです。彼は自分の良さを十分に引き出すことができるようにポージングを改善する必要があります。」

 

トップ選手の体は素晴らしい

その他に数名のフィジーカーを紹介した後にタイラー・マニオンはこう話しました。

「私が今述べたこれらの選手たちは、おそらく新しいメンズフィジークの体重制限に合格するでしょう。彼らは良いメンズフィジークらしい肉体を持っています。」

このカテゴリーは急激な人気によってミスター・オリンピアのメインカテゴリの1つになってきています。

どんどんと競技人口も増えて大きな盛り上がりを見せているのは言うまでもありません。

新しいルールではメンズフィジークのより引き締まった「スマートな肉体」を良しとしているので、このカテゴリーは今後大きすぎる筋肉量からは離れていくでしょう。



最後に

IFBBプロリーグのメンズフィジーク部門で導入された体重制限は、選手たちがメンズフィジークの理想的な体型を目指すための新しい指針となります。
このルール変更により、メンズフィジークは本来の「ビーチ体型」をキープし続けることができ、他の競技との違いがさらにわかりやすくなるでしょう。

もしかしたら、フィジーク→クラシックフィジーク→ボディビルとどんどんとレベルアップしていくような構図が生まれるかもしれませんね。

今後が楽しみです。

それでは良いフィットネスライフを!

https://www.youtube.com/watch?v=7ZtPQ39ezWU

文・編集:月刊 MEN’s PHYSIQUE 編集部 (@gekkan_mensphysique)

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