メンズフィジークではサーフパンツを履くこともあって、下半身はあまり審査対象にならないと言われている。
しかし、実際はどうなのだろうか?
今回はそれについて紹介していこう。
脚の筋肉は審査対象になる?ならない?
先に結論を述べてしまうと脚は審査対象にならないケースが多い。
今まで行われたどのコンテストを見てみても、脚が評価に関わってきたものはほとんどない。
つまりはいくら脚を鍛えて発達させても、評価されないのがメンズフィジークという競技なのだ。
脚のトレーニングをストイックに行なっている人にとっては辛い現実だが、これは今後も変わっていくことはないだろう。
なぜ脚は審査対象にならない?
ではなぜメンズフィジークにおいて脚は審査対象にならないのだろうか?
それは、メンズフィジークのコンセプトとかけ離れてしまうから。
メンズフィジークの起源にヒントがある?
そもそも、メンズフィジークはボディビルをさらに普及させるという目的でつくられたカテゴリーだ。(諸説ある)
ボディビルは素晴らしい競技だが、筋肉オタクのニッチなファンにしか受け入れられず、よく知らない人にとっては、「ゴリゴリの暑苦しいマッチョが、筋肉をアピールする脳筋スポーツ」くらいにしか思われていなかった。
このままでは、ボディビルが繁栄していかない。
そう考えたボディビル関係者が、より多くの人に筋肉を受け入れてもらうために”スポーティさ”と”爽やかさ”をコンセプトにした『メンズフィジーク』というカテゴリーを新設した。
そしてこの競技を「上半身の筋肉だけを審査する」というルールにすることで、より爽やかさとスポーティさを演出させた。
この戦略がうまくハマり、「筋肉は好きだけどボディビルはちょっと…」というライトな筋肉ファンから絶大な支持を集めることに成功。そして今では多くの選手とファンを抱える超人気競技となった。
もし脚の評価まで入れていたら、メンズフィジークは当時のライトな筋肉ファンを虜にすることは叶わなかっただろう。
その当初の「ライトな筋肉ファンを虜にする」という想いがあるから、メンズフィジークでは脚の審査は行なわれないのだ。
脚が評価対象になるケースもある!?
ただし、脚は必ずしも評価されないというわけではない。
場合によっては加点対象になったり減点対象になったりする。
それは一体どういうケースなのか、見ていこう。
ケース1:上半身が全く同じ体で優劣がつけられない場合
まず、脚が評価されるケースとして、「上半身で勝敗がつかなかった」というのがある。
基本的にメンズフィジークは上半身で優劣を決めるのだが、比べた選手の体にまったくと言っていいほど点数の差がない場合、下半身と上半身のバランスがより美しい方を評価する。
その時に、
ケース2:明らかに脚が細い場合
メンズフィジークは他のカテゴリに比べ、より体のシルエット(アウトライン)が求められるカテゴリだ。
そのため、下半身と上半身のバランスが悪いと減点を喰らうことになる。
とくに、脚を鍛えていないなどの理由で下半身が明らかに細い場合は、減点となってしまう。
脚が細いから減点というよりは、上半身とのバランスを見ての減点となることがほとんどなので、上半身が浮いてしまわない程度の脚の筋量は必要かもしれない。
ケース3:明らかに脚が太い場合
反対に脚が太すぎても、評価が悪くなってしまうケースがある。
実際に、脚を鍛えすぎた選手がメンズフィジークに出場した際、「脚が太すぎるため、フィジークという競技では評価できない」と批判されたことがあった。
当メディアに掲載している塚本健太選手である。
この写真を見ると脚はたしかに太い。
サーフパンツがパツンパツンになっていて、今にもはち切れそうなほどだ。
しかし、この太さというのは彼が努力をし続けてきた結果であり、批判されるどころかむしろ誇るべきことだと言えるだろう。
とはいえ、メンズフィジークの特色である爽やかさ・スポーティーさから少し離れ、野生のように力強くなりすぎてしまっているのは確かだ。
そうなってくると批判されてしまうのは仕方のないことなのかもしれない。
ケース4:バックポーズのふくらはぎ
バックポーズの際のふくらはぎ(いわゆるカーフ)は審査対象になるとよく言われる。
ふくらはぎの筋肉がイマイチだと、上半身の筋肉とのギャップが大きくなってしまい、評価が下がることもあるだろう。
とはいえ、それは微々たるものであると言える。
もちろん、マラソン選手のような細いふくらはぎであれば、バランスが大きく崩れるため減点を喰らうだろうが、一般的なふくらはぎの大きさであれば、評価に大きく響くことはないだろう。
しかし、何度も言うがフィジークは上半身を評価する競技だ。大切なのは上半身の肉体なのだ。
結論:脚は上半身とのギャップが生まれない程度に鍛えよう
結論としては、脚は上半身との差が生まれない程度にバランス良く鍛えるのが良い。
鍛えすぎも鍛えなさ過ぎも良くないので、ところどころに脚のトレーニングを入れてうまくバランスを保てるようにしよう。
文・編集:月刊 MEN’s PHYSIQUE 編集部 (@gekkan_mensphysique)
コメントを残す